[事例ニュース]

「DX先進都市」を目指す市川市、エストニア電子政府のデータ連携技術「X-Road」を採用

Planetway Japanの協力を得て、市の既存・新規システムに段階的に実装

2019年6月12日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

デジタルトランスフォーメーション政策を推進する千葉県市川市は、エストニアの電子政府で採用されているデータ連携技術を用いて同市のシステムを刷新する。その技術「X-Road」は、複数のデータベースサーバーにエージェントソフトをインストールすることで、データベースに改修を加えずデータ連携を可能にするもの。エストニア政府と同技術について提携関係にあるPlanetway Japanの協力で開発を進めていく。市川市がPlanetwayと2019年6月11日に同市の仮本庁舎で開いた会見で発表した。

 村越市長によると、市長を団長とする市川市公式訪問団がエストニアを訪れたのは2019年5月下旬のこと。それからわずか3週間で、今回の協定締結に至った。

写真1:協定の締結書に署名する市川市の村越祐民市長(左)とPlanetway Japan CEOの平尾憲映氏

 エストニアはバルト3国で最も北に位置する、人口132万人の小国。Skype発祥の国として知られるIT先進国だ。企業や市民が安全に使える共通のデータ取引所をインフラに採用した先進的な電子政府を実現したことで、日本政府をはじめ世界各国から注目を集めている。

 この電子政府を可能にした技術が「X-Road」と呼ばれるデータ連携基盤技術だ。Planetway Japanは、エストニアと提携関係を結び、X-Roadの技術を取り入れた「PlanetCross」を国内の民間企業向けに提供している。

 X-Roadは、複数のデータベースサーバーにエージェントソフトをインストールし、状況に応じて各データベースから必要なデータを一元的に収集する。エストニアでは、国民に共通IDカードを配布しており、国民がこのIDカードを使って共通ポータルにアクセスして申請などを行うと、当該データが保管された複数のデータベースから必要なデータを収集して一元的に処理を行うことができる。

 Planetway Japan代表取締役CEOの平尾憲映氏は、「既存のETLツールなどに比べて、はるかに安価で容易に複雑なデータ連携が可能になる」と説明。エストニアでは、IDを持つ市民が自分の個人情報についてアクセスコントロールする権利を与えており、だれがアクセス権を持つか、だれがアクセスしたかなどを確認できるようにしている。これにより高いセキュリティを担保しているという。

 Planetwayは、X-Roadにブロックチェーン技術などを組み合わせて、複数のデータベースを分散型でつなげる仕組みを開発、民間企業あるいは業界共通のプラットフォームとしても利用できるデータ連携基盤として「PlanetCross」を開発した。現在大手企業9社で実証を重ねており、1社での商用利用が2019年5月に開始している。もともと公共向けに開発された技術をベースとしており、市川市では自治体との親和性も高いと判断、採用することにしたという。

 市川市の村越祐民市長は、まずは2、3の業務に適用するとしている。業務の詳細は明らかにしていないが、市役所は2020年8月に新庁舎が完成する予定で、「例えば申請業務に適用して、窓口のない市庁舎が実現できれば」とその電子自治体構想の一端を明らかにしている。また、マイナンバーとの連携も視野に入れているという。同市では新システムの構築に、2億円の予算を計上する予定となっている。

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