[調査・レポート]

日本の"働き方改革"は本当に進むのか─VMwareの調査に見る「日本企業が超えるべき働き方の壁」

2019年7月22日(月)五味 明子(ITジャーナリスト/IT Leaders編集委員)

ヴイエムウェアは2019年7月17日、同社が行ったアンケート調査「ビジネスにおけるモバイルの利用動向」の結果を発表した。テレワークやIT利活用の進展は小幅ながら、先進的なテクノロジーの活用で顕著な成果を上げる企業も少数ながら見受けられるようになってきたという。数年前から国を挙げて提唱されている"働き方改革"だが、日本企業が多様なワークスタイルを実現し、生産性向上など具体的な成果を得るためには何が必要なのだろうか。

 「ビジネスにおけるモバイルの利用動向」は、ヴイエムウェアが国内のビジネスパーソン約500名を対象に、2019年6月25日から27日にかけて行ったもの。本アンケートはノートPCを除くスマートデバイス(スマートフォン、タブレット)をいかに業務に活用しているかを調査するもので、同社は3年連続で実施している。

 調査結果についてヴイエムウェア マーケティング本部 チーフストラテジスト プロダクト&ソリューション EUC/IoTの本田豊氏(写真1)は「過去2年と比較しても、テレワークの推進やIT利活用の向上は微増に留まっており、社外でも社内でも精勤できる環境を作るという意識が希薄」と総括するが、一方で先進的なテクノロジーを活用することで顕著な成果を出している日本企業も少数ではあるが見受けられるようになっている。

写真1:ヴイエムウェア マーケティング本部 チーフストラテジスト プロダクト&ソリューション EUC/IoT 本田豊氏

テレワークを認めていない企業が60%超

 まずは本調査の結果を簡単に見ていこう。

●業務で使用するスマートデバイスは、個人所有(BYOD)が56.1%(前年58.8%)を占める(図1)。

図1:業務で知用しているスマートデバイス(出典:ヴイエムウェア「ビジネスにおけるモバイルの利用動向調査」)
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●使用しているスマートデバイスにマネジメントツールなどのモバイルソリューションが導入されている割合は32.1%、前年の28.2%に比べて微増しているものの、セキュリティ上の懸念は依然として大きい。
●スマートデバイスの業務上の用途は「通話(83.6%)」「メッセージングアプリ(53.6%)」「勤務先アカウントのメール(38.9%)」「OfficeなどPCでも使用するアプリケーション(24.9%)」「モバイル用業務アプリケーション(13.1%)」で、業務アプリなど"スマート"な活用は低迷(図2)。

図2:スマートデバイスの業務上の用途(出典:ヴイエムウェア「ビジネスにおけるモバイルの利用動向調査
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●会社支給のPCの持ち出しについては44.1%が「持ち出し可能」と回答、前年は43.1%でほぼ横ばい。
●勤務先がテレワークを認めていると回答したのは24.3%で、前年の21.8%に比べて微増にとどまる。一方、勤務先がテレワークを認めていない割合は64.1%に上る(図3)。

図3:テレワークの可否(出典:ヴイエムウェア「ビジネスにおけるモバイルの利用動向調査」)
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●2019年4月に施行された「働き方改革関連法」について、長時間労働の是正に「有効だと思う」と回答した割合は36.8%、一方で「有効だと思わない」は25.3%、「どちらともいえない」は32.2%となっており、長時間の是正に有効な対策とは明確に認識されていない。
●働き方改革関連法の実現を阻害する要因としては、順に「企業文化/経営者の意識(67.2%)」「本人の意識(43.4%)」「業務量(39.5%)」「デジタル機器やサービス(9.1%)」となっており、経営者の意識の変革や強いリーダーシップが重要と認識されている。

 また、本田氏はVMwareがグローバル(米国、英国、ドイツ、日本)で調査した「従業員エクスペリエンス」に関する結果についても言及しており、それによれば「日本の組織は各国と比べると、場所を問わずに業務に臨む環境を整えるという点で遅れている。従業員の側もその改善を要求する声が強くない」という(図4)。

 働き方改革という言葉が登場したのは2017年だが、2年が経過し、テクノロジーが進歩したにもかかわらず、日本企業の働き方は従業員の意識を含め、あまり変化がない印象を受ける。

図4:場所を問わずに業務に臨む環境が整っているか、肯定的回答者の比率(国別)(出典:VMware Inc.「The digital employee experience survey」)
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●Next:先進的なワークスタイル改革を実践している日本企業とは?

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