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DXの第一歩は業務プロセス変革から─RPA、プロセスマイニング、AIを取り込んだ新世代BPMの実力

業務の“実態”を可視化してプロセスの全体最適を図る──intra-martが示すDX推進の解

2019年8月30日(金)

クラウドやRPA、AI、IoTなどデジタル化が進む社会環境に自社のビジネスや業務を適応させる、デジタルトランスフォーメーション(DX)。言うまでもなく、どんな企業にとっても重要な課題だ。そのためにはデジタル化以前の時代に構築された業務プロセスの見直しや変革が不可欠となる。それも自社だけでなく、パートナー企業や顧客も含めてのことだ。そんな業務プロセス変革を推進していくにあたって、企業はどんなアプローチをとっていかなければならないのか。NTTデータ イントラマート 代表取締役社長の中山義人氏に、インプレス IT Leaders 編集主幹 田口潤が、最近、注目を集める「プロセスマイニング」も含めて話を聞いた。(撮影:的野弘路、本文中敬称略)

DXの取り組みでまずなすべきは業務プロセス変革

 多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みを進めている。製品やサービスのデジタル化(デジタライゼーション)から、組織文化や業務スタイルの変革(トランスフォーメーション)に至る、DXのさまざまな取り組みは、国内企業においてもたいへんに注目を集めているが、実際にどう取り組んでよいのか、二の足を踏むところもまだ多いようだ。日本企業のDXを阻む障壁とは何だろうか──。

田口:海外の先進企業を見ていると、「変革疲れ」なる言葉が囁かれるぐらい、つまり疲れるほど必然の取り組みとしてDXを進めています。その一方で、日本企業のDXはどこまで進展しているととらえていますか。

株式会社NTTデータ イントラマート 代表取締役社長 中山義人氏

中山:残念ながら、いまだ多くの企業が「どのようにしてDXに着手すればよいのか分からない」といった状況にあると思います。そもそも「自社にとってのDXとは何か?」という定義ができていないところも見受けます。

 DXは、自社の製品やサービスをデジタル技術で進化させていく取り組みと、自社の業務をデジタル化するという取り組みがあるととらえることができます。前者は企業ごとに取り組みの内容が違うわけですが、後者の業務のデジタル化は、他社の事例でも参考になるところが多く、着手しやすいです。まずはここから始めたほうが成果は出やすいと思います。

 社内を見渡してみると、まだまだ手作業で行われているアナログ的な部分がたくさんありますよね。昨今RPAがブームになっているのも、業務効率化の効果としてわかりやすい側面があるからでしょう。実際、RPAの利用を契機に業務プロセスを全体最適化する必要性に気づき、業務をエンドツーエンドで考え始めている企業も増えています。もし、取り組みがRPAだけにとどまってしまっては個別最適に陥ります。全体最適の視点に立たないと、本当の効果はもたらされません(図1)。

図1:製造業におけるBPMとRPAの連携例(出典:NTTデータ イントラマート)
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田口:なるほど。製品やサービスのデジタル化のほうに目を向けがちですが、まずは自社の業務プロセスをデジタル時代に見合ったイノベーティブなものにしていくことが大事だと。しかも、そのほうが手を付けやすいし、成果にもつながるわけですね。実際、アマゾン・ドットコムは、レコメンデーションやAIスピーカーなど、サービスのDXを早期に遂げた代表格ですが、物流のロボット化や配送の効率化などの業務プロセスのデジタル化には設立当初から取り組んできたわけで。

株式会社インプレス IT Leaders 編集主幹 田口潤

中山:そうなんです。GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon.com)と称されるグローバルのプラットフォーマーたちは過去のしがらみがなく、設立当初よりデジタルのTo-Beモデルが明確にあり、それに合わせてビジネスだけでなく業務プロセスも設計しています。それと異なり、日本企業には何十年と続けてきた既存の業務やビジネスのしがらみが大きいのですが、それを乗り越えて変革に踏み出していくことが企業に求められています。

田口:そう聞くともう、待ったなしに思えます。平成の30年間を過ごして令和を迎えた今も、多くの企業における業務プロセスは昭和の時代から大きく変わっていないわけですから。もちろん細かな改善は色々と実施されてきていますけどね。

中山:同感です。業務プロセスの改善でこれまで日本企業が得意としてきたのは、自部門や自チームにとどまった“目に見える範囲”でのカイゼンでした。しかし今や顧客を起点とし、サプライヤーなどとの密接な関係性も取り込んでエンドツーエンドの大きな視点で継続的な改革を行っていくのが世界の潮流だと言えます。企業にとって、ビジネス全体を見渡しながら全体最適で改革を行い、To-Beモデルを作り挙げることは急務でしょう。

 これまではERP自身にグローバルスタンダードの業務プロセスが組み込まれていたので、業務をパッケージに合わせることでTo-Beモデルを構築することができました。しかし、現在IT投資の対象になっているのはそれぞれの会社ごとに独自性のある領域のデジタル化です。そのため、グローバルスタンダードのような正解がない領域で、個社ごとの全体最適というTo-Beモデルをどのようにして構築していくのかが大きなポイントになってきます。

業務プロセス変革を導く「プロセスマイニング」のインパクト

 2人が指摘するのは、DX推進の条件として、業務プロセスの全体最適化が必須であること。実はそのための有用なアプローチの1つとして、欧米企業を中心に導入が始まっているのが「プロセスマイニング(Process Mining)」だ。ERPなどの各種業務システムやIT機器、ソフトウェアのログデータを採取・分析し、その結果から業務プロセスをあるべき姿に再構築するというこのアプローチは、企業の業務プロセス改革にどのような効果をもたらすのか。

田口:NTTデータ イントラマートは設立以来、ワークフロー市場で実績を積み重ね、現在では「IM-BPM」としてソリューションの領域をBPMへ拡大させてきました。今日の本題に大きくかかわるところなのですが、中山さんから見てBPMの市場はどのように変化しているのでしょう。

中山:当社がBPMに参入したのは4、5年くらい前です。古くからある市場ですが、IM-BPMはここ数年、年率40%という急激な成長を遂げています。

 背景には、先にも述べたように企業が業務プロセスの個別最適から全体最適化を意識し始めたことが挙げられます。加えてIM-BPMは、長年のワークフローの提案で培ってきた日本特有のさまざまな業務機能を網羅していることも大きいです。海外製品を導入する場合と違って、カスタマイズのコストがほぼ不要で、企業にとって十分にROIが合うわけです。それに働き方改革の推進も後押しとなって、これまで手作業やExcelなどで行っていた煩雑な業務をデジタルに置き換えて自動化を進めるという。こうしてBPM導入の裾野が大企業から中堅企業までどんどん広がっている印象があります。

田口:なるほど。そんな背景から、先程話のあった「個社ごとの全体最適というTo-Beモデル」をどのようにして構築していくのですか。

中山:今年の4月から業務プロセスのTo-Beモデル作成を支援するサービス「プロセス・マイグレーション」の提供を開始しています。日々の業務に利用するERPやCRMなどの既存システムやアプリケーションのログを用いて、業務プロセスの解析と再設計を自動的に行います。

 採用したプロセスマイニングツールは、蘭Fluxiconの「DISCO」と独Signavioの「ProcessManager」です。これらを使って社内にある大規模なイベントログデータを分析し、視覚的で実用的なプロセスマップを作成し、さらに全体最適のTo-Beプロセスモデリングを可能にします(図2)。

図2:IM-BPMに取り込んで活用できる「プロセス・マイグレーション」(出典:NTTデータ イントラマート)
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 プロセスマイニングがもたらす効果はとても大きいです。従来型のBPMでは、社内の業務プロセスすべてを調査してAs-Isを把握し、そこに精査をかけてボトルネック箇所を検出、そこからTo-Beの業務プロセスの設計へと進めます。その大半の作業を従業員やコンサルタントなどの経験値を頼りに行うため、多大な工数と導入コストがかかっていました。プロセスマイニングは、このAs-IsからTo-Beまでの工程を自動化してくれます。業務プロセスへの取り組みで、最もハードルの高い部分から解放されるわけです。

田口:インパクトが強い。このプロセスマイニングのインパクトに気づいた企業だけが先に行ける。欧米企業で導入が進む動きも当然に思えます。日本企業は、この大波に乗り遅れている場合ではないですね。

中山:そこで、お客様にさらにわかりやすい道筋を作れないかと考えました。結果、IM-BPM/プロセス・マイグレーションをはじめとした当社のソリューション群をベースに、お客様のDXプロジェクト推進を包括的に支援する「DXアプローチ」というメソドロジーを用意しています(図3)。

図3:BPMを活用したDXアプローチ(出典:NTTデータ イントラマート)
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 これは3つの入り口を持ちます。1つ目が、プロセスマイニングによりログなどのファクトデータ(事実情報)から業務プロセスを可視化し、ボトルネックを見つけてTo-Beモデルを適用していく、ボトムアップ型の手法です。2番目が、お客様自身が10日間のワークショップ研修を通じてAs-Isの把握とTo-Beの意識を喚起し、業務プロセスを改革すること。最後が「IM-Quick Win」と私たちが呼んでいるメソッドで、これは3カ月間で業務のボトルネックとなっている部分を見つけ出し、トップダウンでTo-Beモデルの業務改革を図るというものです。これらで得る成果を1つずつ積み上げることで、一足飛びではなく、徐々に、確実に業務プロセスを変革し、そして進化を遂げていくように我々がサポートします。

プロセスマイニングやRPA、AI、IoTを取り込む「新世代BPM」がDX推進の中核に

田口:それでは、To-Beモデル構築後の業務プロセス実行に話を移しましょう。欧米ベンダーが提供する最近のBPM製品を見ると、IoTやAI、もちろんRPAも取り込んで、プロセス変革を訴求するトレンドがあります。一昔前に喧伝されたBPMとは機能レベルが変わっているわけですが、この点はいかがでしょう。

中山: 昨今のBPMの進化方向として、インテリジェントオートメーション(Intelligent Automation)がよく語られています。これは、AIなどを駆使して業務プロセスのフルオートメーション化を進めていくものです。BPMが個別導入されているRPAやOCRなどを相互接続して全体最適化へと導いていくのですが、BPMから生成される実行結果のログをAIで学習することで、より適切で効果の高い業務プロセスへと改善されます。これまで「人」が行っていたPDCAの改善作業を、AIを活用することでより正確かつスピーディに実施できるのです。

 そこで当社では、そのインテリジェントオートメーションの具現化のために「intra-mart BIORA」というソリューションを発表しました。BIORAはIoT、OCR、RPA、AIからネーミングしていて、あらゆる業務プロセスを対象に、従来の人や紙などによるアナログ処理をデジタル化し、エンドツーエンドの自動化を実現していくことをゴールに掲げています。プロセスマイニングやRPA、AI、IoTを取り込むことで、BPMはそれらの効率的な管理・連携・自動化を可能にするオーケストレーターの役割を担っていく。そんな進化の道筋を描いています(図4)。

図4:インテリジェントオートメーションを具現化する「intra-mart BIORA」(出典:NTTデータ イントラマート)
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田口:すでにIoTやAIをプロセスに取り込めるのですね。とするとIM-BPMで包括的なデジタルトランスフォーメーションを進めることができる?

中山:はい。BIORAを開発した背景として、最近では「SoR(Systems of Record)からSoE(Systems of Engagement)まで一気通貫で業務プロセスを自動化したい」といった案件の増加があります。SoRだけをBPMの対象とすれば、従来のバックオフィス業務の自動化にとどまりますが、SoEもその範疇に含めれば、顧客起点に始まる直接業務の自動化が可能となります(図5)。

図5:SoEからSoRまで一気通貫で業務プロセスの可視化・自動化を図る(出典:NTTデータ イントラマート)
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 例えば、これまで1、2カ月を要していた保険契約プロセスを、もし、スマートフォンで申し込んだらすぐにAIが審査してリアルタイムで契約が完了するようなプロセスになればどうでしょう。ゴルフ保険や海外旅行保険などワンタイム保険という市場が生まれることで、この業界のビジネスに新しい付加価値をもたらすことになりますよね。実際、先進企業は、このようなデジタルの力に着目して、ビジネスの変革に取り組み始めています。

田口:BPMを中心としたオーケストレーションが実現されれば、システム構築のあり方も大きく変わりそうです。例えば、BPMを中軸に据えつつ、従来型のERPシステムや業務システムをコンポーネントのように取り扱い、新しい業務領域はIoTやAIを活用しながらローコード開発で素早く構築する。無理のない、ある意味で合理的なレガシーマイグレーションが可能になります。

中山:実際、SAP S/4 HANAのフロントシステム共通基盤としてintra-martを採用し、その基盤上で新システムを構築しようとするお客様が増えています。intra-martの強みはその上で稼働しているプロセスの実行結果を日々、データとして蓄積し、それに基づきPDCAの業務改善サイクルを可能としていることです。そのため、これまでの固定化されたシステムと違い、企業成長とともにシステムも絶えず進化していくのです。このようなメリットを期待して採用が増えています。

 また、これらの実現のカギを握るアプローチの1つに、intra-martのフレームワーク上に用意されているコンポーネント群を利用して、短期間かつ高品質なシステム開発を可能にするローコード開発基盤があります。今日のビジネスのスピードに追従して、必要なシステムを構築していくのに欠かせないアプローチとなります。

田口:DXを推進していくために、まず業務プロセスの改善が不可欠であること。そして、BPMも従来の範疇を超えた役割を担うようになってきていること。今回お話を聞いて、企業が取るべきアクションが見えてきたように思います。多くの導入実績を通して日本企業の長所も課題も知るNTTデータ イントラマートが今後、この分野をリードしてくれることを期待しています。

*  *  *

 

 企業にとって業務プロセスへの取り組みは長年の課題であったが、ここにきて、競争優位性の高い事業創出や既存事業の改善、従業員の生産性向上といった、DXの成否を大きく左右する前提条件となり、喫緊の課題としての速やかなアクションが求められている。

 全社業務プロセスの可視化・効率化と高い業務生産性を実現するBPM/ワークフローを強みに、社内から顧客、サプライヤーまでの業務を一気通貫でつなぐ基盤「業務改善プラットフォーム」を提供するNTTデータ イントラマート。本対談で示されているように、同社は、これまでさまざまな企業の業務改善を支援してきた実績やノウハウを基に、intra-mart BPMソリューションをDX時代が求める要件をクリアする形で進化させている。

 業務プロセスの変革こそがDXの第一歩の踏み出し──その着手にあたって、intra-martを有力な選択肢として検討されてみてはいかがだろうか。


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●お問い合わせ先

NTTデータ イントラマート

株式会社NTTデータ イントラマート

https://www.intra-mart.jp/
E-mail:info@intra-mart.jp
TEL:03-5549-2821

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