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神奈川県予防医学協会、65万人の尿検査報告をOCR/RPAで効率化、年間500時間以上を削減

2021年3月29日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

公益財団法人神奈川県予防医学協会は、65万人を対象とした尿検査の結果報告書を作成する業務に対し、OCR(光学文字認識)とRPA(ロボットによる業務自動化)を導入した。これにより、人手による年間作業時間が500時間以上減り、労働生産性が12%向上した。システムを構築した日立システムズが2021年3月29日に発表した。

 神奈川県予防医学協会は、65万人を対象とした尿検査の結果報告書を作成する業務を、OCRとRPAで自動化した(図1)。これにより、人手による年間作業時間が500時間以上減り、労働生産性が12%向上した。

図1:RPAの活用による業務改善イメージ図(出典:日立システムズ)図1:RPAの活用による業務改善イメージ図(出典:日立システムズ)
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 神奈川県予防医学協会は、神奈川県下の2000校以上の小・中学校や保育所から尿検査を受託している。検査件数は、合計で約65万人である。尿検体の搬入から4日間で、名簿の回収と取りまとめ、結果報告書の印刷など、大量の事務作業を行っている。

 従来は、毎年臨時で月当たり40~50人程度のパートタイム労働者を雇用して対応していた。ところが、人手不足やコロナ禍を背景に、年々パートタイム労働者の確保も困難になってきていた。業務効率化が課題となっていた。今回、OCRとRPAを導入し、これまで人手に頼っていた業務を自動化した。

 従来の業務では、光学メディアや紙などに記載した受診者名簿を、尿検体と一緒に受け取っていた。名簿をOCRで読み取る業務や、ファイル様式の変換業務が多数発生していた。これを改め、名簿をWebサイトからデータ形式で受け取る方式を取り入れた。

 受診者名簿を取得するWebサイトの入力フォームを新たに構築した。さらに、従来と同じ光学メディアや紙などの提出においても、名簿取得や様式変換、印刷業務などのRPAで自動化する部分についてはRPAで自動化した。

 これらにより、尿検査の結果報告書作成業務の人手による作業時間を、年間で500時間以上削減した。担当者1人当たりの事務処理件数は前年度比で581件増え、労働生産性が12%向上した。今回はコロナ禍の影響でパートタイム労働者が月当たり10人程度少なかったが、4日間という所定の期間で遅延することなく対処できた。

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