[調査・レポート]

2020年度の国内ERP市場は前年比123%の614.5億円、デロイト トーマツ ミック研が主要5分野を調査

2021年4月5日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

デロイト トーマツ ミック経済研究所は2021年3月22日、経理・財務・人事・給与などのERPアプリケーション市場の規模と動向を分析した資料を発刊した。資料名は「DX&ニューノーマル対応で拡大するERPフロントソリューション市場の実態と展望 2021年度版」。同資料によると、2020年度の国内市場規模は前年比123.3%の614.5億円で、2021年度は前年比122.6%の753.6億円になる見込み。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、経理・財務・人事・給与などのERPアプリケーション市場の規模と動向を調査した。2021年3月22日に、これらを分析した資料「DX&ニューノーマル対応で拡大するERPフロントソリューション市場の実態と展望 2021年度版」を発刊した。

 調査対象のERPアプリケーションは5分野で、「経費精算」「勤怠・就業」「ワークフロー(経費精算/勤怠・就業)」「出張管理」「プロジェクト・工数管理」である。これらのソフトウェア/サービスを提供しているベンダー58社の取材数値を積み上げ、2019~2021年度の市場規模を算出・予測した。

 調査の結果、2020年度のERP市場規模は、2019年比123.3%の614.5億円だった。2021年度は、2020年比122.6%の753.6億円になる見込みである。ERPアプリケーションの需要は、持続的に拡大している(図1)。

図1:ERPアプリケーション(5分野)市場の中期予測(出典:デロイトトーマツミック経済研究所)図1:ERPアプリケーション(5分野)市場の中期予測(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
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 需要が拡大している理由として、デロイト トーマツ ミック経済研究所は、電子帳簿保存法に関連したペーパーレス化の進展、API連携による精算/申請業務のスマート化、テレワークなど多様なワークスタイルの浸透、などを挙げる。

 2021年度は、令和3年度(2021年度)税制改正によって電子帳簿保存法の動きが本格化する。このため、2020年度以上に、ペーパーレスをテーマにしたベンダーの販促やユーザーの導入が活発化すると同社は予想する。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)というキーワードやニューノーマル対応、2025年問題の対応などを背景に、ERPアプリケーション市場は2020~2025年度まで年平均19.7%増で伸長し、2025年度には1444.9億円市場に成長すると同社は予測する。

ERP 5分野のすべてが成長、経費精算は前年比131.8%

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、ERPの5つの分野別の2020年度国内市場および成長率を以下のように示している。

  • 経費精算:256.4億円(前年比131.8%)
  • 勤怠・就業:256.3億円(前年比121.8%)
  • ワークフロー(経費精算/勤怠・就業):38.0億円(前年比110.1%)
  • 出張管理:29.2億円(前年比107.4%)
  • プロジェクト・工数管理:30.4億円(前年比138.8%)

 分野別のトピックは、以下のとおりである。

  • 経費精算:テレワークの普及とペーパーレス需要の拡大によって、場所を選ばずに申請処理を行えるクラウド型経費精算システムが牽引
  • 勤怠・就業:多様なワークスタイルへの対応や、同一労働・同一賃金など適正な管理ニーズへの対応を背景に、好調に伸長
  • ワークフロー(経費精算/勤怠・就業):勤怠・就業が順調に伸びる中、電子帳簿保存法対応によって経費精算の導入も拡大
  • 出張管理:新型コロナウイルス感染症による出張減の影響を受けるも、アフターコロナを見据えてシステム化を進める大手企業の導入が下支え
  • プロジェクト・工数管理:テレワーク下における効率的なリソース管理の需要が急拡大
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