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川崎重工、製造全工程のデジタルツイン構築を目指し「インダストリアルメタバース」に着手

2022年5月30日(月)神 幸葉(IT Leaders編集部)

川崎重工業は、設計、開発から試験までの全工程を仮想空間上で実行できる環境の実現を目指す「インダストリアルメタバース」の構築に取り組んでいる。「Microsoft Azure」上にクラウド/IoTの統合基盤を構築し、予兆保全や技術者遠隔支援などの取り組みから着手し、全工程のデジタルツイン化を目指す。米マイクロソフトが2022年5月25日(米国現地時間)に同社主催の開発者向け年次コンファレンス 「Microsoft Build 2022」で発表した。

 三菱重工業、IHIと共に3大重工の一角を成し、産業用ロボット市場をグローバルでリードする川崎重工業。同社は、製造プロセスのクラウド/IoT基盤にマイクロソフトのパブリッククラウド「Microsoft Azure」を導入。後述の「インダストリアルメタバース」を構築するプロジェクトを進めている。

 まずは、クラウド/IoT管理プラットフォーム「Azure IoT」やエッジAIプラットフォーム「Azure Percept」、非接続型のMR(複合現実)ヘッドセット「HoloLens」などを製造現場に導入。これらにより産業用ロボットの故障発生時の迅速な復旧や予兆保全、複数拠点かつリアルタイムでの遠隔地にいる技術者へのアドバイス・支援などを実現している(写真1)。

写真1:製造現場にインダストリアルメタバース構築を目指す(出典:川崎重工業)
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 また、現実と仮想の両環境を可視化・管理するデジタルツインプラットフォーム「Azure Digital Twins」の活用にも着手。シミュレーション機能によって、仮想空間上での過去・現在・未来の動作状態を把握し、物理的に離れた拠点でのトラブル原因特定と解決を可能にしている。

「インダストリアルメタバース」がもたらすメリット

 マイクロソフトは、既存のテクノロジーを活用して物理的資産をデジタルに拡張し、バーチャル上で複数の関係者と同時に活用する「インダストリアルメタバース (Industrial Metaverse)」の利用が始まっていると指摘する。上述の川崎重工は、製造業における先行事例の1つである。企業がインダストリアルメタバースを構築することで、次のような利点が得られるという。

●Next:背景にある製造業のビジネス環境変化とリスク

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