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接客時に使う専用端末をタブレットに─NTTデータが共同利用型の銀行営業店システムの開発に着手

2024年度に西日本シティ銀行が採用、以降、地銀共同センター参加行に展開

2022年6月9日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTTデータは2022年6月8日、銀行営業店システム「営業店スマート化ソリューション(仮称)」の開発を同年4月に着手したと発表した。接客時の事務手続きをタブレットで行えるようにするシステムで、金融専用端末の置き換えを目指す。第1号ユーザーとして西日本シティ銀行が2024年度から採用する。

 NTTデータの「営業店スマート化ソリューション(仮称)」は、タブレットを利用した共同利用型の銀行営業店システムである。接客時の事務手続きを、既存の金融専用端末に代えてタブレットで行えるようにする。2022年4月に開発に着手した。第1号ユーザーとして、西日本シティ銀行(本店:福岡県福岡市)が2024年度から採用する(図1)。

図1:タブレットを利用した共同利用型の銀行営業店システム「営業店スマート化ソリューション(仮称)」を用いた業務のイメージ(出典:NTTデータ)図1:タブレットを利用した共同利用型の銀行営業店システム「営業店スマート化ソリューション(仮称)」を用いた業務のイメージ(出典:NTTデータ)
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 開発するシステムでは、ペーパーレス化を前提とした新しい事務のスタイルを、地銀共同センターの参加行と共に整備する。ハンコや伝票といった現物の取り扱いによって生じる行員の事務負担を減らす。また、これまで営業店の事務で必要だった金融専用端末をタブレットやPCに置き換えていく。共通化仕様による共同利用サービスとすることでシステム導入費用も抑える。

 新システムは、タブレット上で事務の流れをリード(誘導)する「取引シナリオ」機能や、1日の業務の最後に行う取引勘定と現金の一致を確認する精査事務を支援する機能を提供する。これらにより、行員の事務スキルに依存しない、堅確な事務手続きを実現するとしている。

 業務での利用では、顧客自身がタブレットに入力(必要に応じて行員が支援)するだけで事務が完結する。ペーパーレス化と共に、事務手続きの待ち時間を短縮する。また、タブレットとキャッシャー(現金出納機)を連携することで、受付行員が現金を取り扱わなくて済むようにする。

 従来、銀行の営業店における接客では、銀行の事務手続きに合わせて銀行個別に構築した、金融専用端末を中心とした営業店システムを利用していた。これに対して参加行とNTTデータは2021年4月から、顧客との対話と説明補助に重きを置いた新たな接客スタイルを意識した事務フローを共同で検討し、今後求められる営業店や事務のあり方をテーマに共同で議論を重ねてきた。

 今回、金融専用端末をタブレットやPCに置き換えることを参加行と合意し、新システムによって営業店事務に求められる要件・機能を共通化・標準化できると判断し、2022年4月に開発に着手した。2024年に、第1号ユーザーとして西日本シティ銀行が採用する。NTTデータは、これまで銀行で使われてきた金融専用端末すべての置き換えを目指して機能拡張に取り組む。

 地銀共同センター参加行は以下のとおり(銀行コード順)。

  • 青森銀行
  • 秋田銀行
  • 岩手銀行
  • 千葉興業銀行
  • 福井銀行
  • 京都銀行
  • 池田泉州銀行
  • 鳥取銀行
  • 山陰合同銀行
  • 四国銀行
  • 大分銀行
  • 西日本シティ銀行
  • 愛知銀行
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