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JA士幌町、農作物の集荷配送ルートをAIで最適化、2022年秋の収穫期でフィールド実証

2022年7月5日(火)IT Leaders編集部

士幌町農業協同組合(JA士幌町、北海道河東郡)は、農作物の集荷配送ルートをAIで最適化するフィールド実証を2022年秋の収穫期に合わせて開始する。最適化の対象は、馬鈴薯の集荷配送作業におけるトラックとタイヤショベルの配車ルート。AIツールを共同開発した調和技研とNTT東日本の北海道事業部の2社が2022年7月4日に発表した。

 士幌町農業協同組合(JA士幌町、北海道河東郡)は、農作物の集荷配送ルートをAIで最適化するフィールド実証を、2022年秋の収穫期に合わせて開始する。最適化の対象は、馬鈴薯の集荷配送作業におけるトラックとタイヤショベルの配車ルートである。AIツールは、AIベンダーの調和技研(北海道札幌市)とNTT東日本の北海道事業部が共同で開発した(写真1)。

写真1:農場における農作物の積み込み作業と運搬の様子(出典:農業協同組合 士幌町)写真1:農場における農作物の積み込み作業と運搬の様子(出典:士幌町農業協同組合)

 馬鈴薯の集荷では、積み込み作業用のタイヤショベルと、積み込んだ馬鈴薯を運搬するトラックを、それぞれ農場に配車する。タイヤショベルやトラックは共用化しており、運転手や台数に限りがある。このため、収穫したものの集荷待ちによって農作物が劣化してしまう問題や、日々集荷ルートを作成する負担が大きい問題、物流業界の運転者不足を危ぶむ物流2024年問題などの課題がある。

 これらの課題解決に向け、NTT東日本と調和技研は、集荷配送の最適化ルートを作成するAIプログラムを開発した。AIプログラムは、集荷希望日・集荷場所、タイヤショベルやトラックの台数、優先したい条件(時間や距離)を入力すると、タイヤショベルとトラックの最適なルートを地図上に表示する(図1)。

図1:現状の集荷イメージ。タイヤショベルとトラックが農場で落ち合って作業する(出典:調和技研)図1:現状の集荷イメージ。タイヤショベルとトラックが農場で落ち合って作業する(出典:調和技研)

 AIツールの効果は大きく、担当者が地図を見てルートを作成するよりも、トラックの移動距離や待ち時間が少なくなる。また、これまで大きな負担となっていた、担当者のルート作成時間が減る。合わせて、集荷待ちの減少による馬鈴薯の劣化の抑制、トラックの移動距離削減による化石燃料の削減、将来的にはトラックとショベルの台数の最適化による労働力不足問題へ対応が期待できるとしている。

 2022年度秋の収穫時期にJA士幌町でフィールド活用し、効果の検証、およびAIの精度を高め、次年度の本格導入を目指す。また、「今回の協業の成果は他の農作物への応用も可能であり、 農業だけではなくトラック輸送業全般に応用が可能」と調和技研は考えている。

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