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熊谷組、京セラ、NEC、ローカル5Gで建設機械を遠隔操作・自動運転する実証実験

2022年8月23日(火)IT Leaders編集部

熊谷組、京セラ、NECの3社は2022年8月22日、ローカル5Gを活用した建機の遠隔操作と自動運転の実証実験を実施したと発表した。熊谷組技術研究所の屋外実験ヤードにおいて、無人化施工に不整地運搬車の自動運転を組み込んだ試験環境下で、同年6月に実施した。今後も同通信環境にさまざまなシステムを組み込んで検証実験を継続していく。

 熊谷組、京セラ、NECの3社は、ローカル5Gを活用した建機の遠隔操作と自動運転の実証実験に取り組んだ。2022年6月、熊谷組技術研究所の屋外実験ヤードにおいて、無人化施工に不整地運搬車の自動運転を組み込んだ試験環境下で実施した(図1)。

図1:ローカル5Gを活用した無人化施工実験の基本構成図(出典:NEC)
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 取り組みの背景として、災害の補修時における2次災害を防ぐため、高速で低遅延な無線通信システムが必要になっていることを挙げる。具体的には、無人化施工技術の高度化に伴う4K車載カメラ映像の高品質化や、建機の傾きや振動などの現場情報のフィードバックが必要になる。

 無人化施工を支える無線通信システムとして3社は、ローカル5Gに着目。熊谷組の屋外実験ヤードにローカル5Gのシステムを構築し、ヤード内を移動する建機の位置と通信速度の情報を基に通信状況を視覚化する方法を確認した。

 システムは、技術研究所の本館と土質実験棟に、NECのローカル5G基地局を設置し、アンテナを屋外実験ヤードに向けて調整。基地局ユニットから、土質実験棟内のサーバーを経由して、遠隔操作室の通信機器まで回線を接続した。

 また、建設機械には、受信電力情報のリアルタイム取得など運用自由度が高い京セラのローカル5G対応デバイス「K5G-C-100A」を接続。車載カメラの映像を、IPネットワークの上り回線を通じて伝送し、遠隔操作室のモニターに表示する(写真1)。

写真1:ローカル5Gでのパケット通信を利用した建設機械の遠隔操作の様子(出典:NEC)

 実証実験では、屋外実験ヤード内でのスループットや、遅延時間測定に関する基礎実験を行った。基地局間のハンドオーバー機能(移動端末接続する基地局のスイッチ機能)を通じて、屋外実験ヤード内での上りリンクスループットが高いことと、低遅延を達成可能なことを確認した。

 今後は、複数の建設機械にK5G-C-100Aを接続し、遠隔操作を実施する際の操作性を調査し、現場環境での実験試験運用を行う予定である。免許によって周波数帯域を占有可能であることを生かし、他端末からの帯域内干渉が発生しやすい無線LANとの特徴の差異を把握し、複数の無線通信システムを併用しながら、ローカル5Gの本番導入に向けた取り組みを進める。

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