[調査・レポート]

大企業の半数近くが「業務自動化」を最重要事項に、技術・製品の選定ポイントは?─ITR

ホワイトペーパー『業務自動化に向けた国内企業の現状と展望』より

2022年8月24日(水)神 幸葉(IT Leaders編集部)

アイ・ティ・アール(ITR)は2022年8月18日、ホワイトペーパー『業務自動化に向けた国内企業の現状と展望』を発行した。同社が実施した調査では、回答企業の45%が「業務の自動化」を、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するテーマの中での最重要事項と回答。また、すでに自動化を行っている業務領域として、53%が「人事・給与業務」を挙げている。調査結果と合わせて、ITRは業務自動化を実現する技術・製品の選定ポイントを解説している。

 ITRが2022年3月に国内大企業(年商規模500億円以上)の部長職以上を対象に実施した調査「業務自動化に関する動向調査2022」によると、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するテーマのうち、「業務の自動化」を最重要事項と認識している回答者の割合は45%に上り、「コミュニケーション/コラボレーションの高度化」(47%)に次いで高い値となった(図1)。

 ITRはその主な要因として、コロナ禍に伴うワークスタイルの変化や慢性的な人員不足、ペーパーレス化の進展に伴うデータ量の増加を挙げている。「デジタルトランスフォーメーション(DX)は単なるデジタル化ではなく、迅速かつ多角的に処理を行うことで初めて実現への道筋が開かれるが、それに加えて、コロナ禍や就労者不足などの課題も折り重なっているのが実情。今後は業務の自動化を重視する傾向はより強まっていくと考えられる」(ITR)。

図1:DXテーマの重視度(最重要課題と認識している割合)(出典:ITR)
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 また、同調査では、国内の大企業が自動化に取り組む業務領域として、現時点で最も多くの企業が取り組んでいるのは「人事/給与」で、「財務/会計」と合わせてバックオフィス業務が中心であることが明らかになった。一方で、自動化に向けた準備・検討を進めている割合が最も高かったのは、「営業/マーケティング」で、顧客接点強化やビジネスの差別化につながるフロントオフィス業務でも自動化の機運が高まっていることがうかがえる(図2)。

図2:自動化に取り組んでいる業務領域(出典:ITR)
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 ITRは、「自社固有の業務を自動化する手段にはさまざまなテクノロジーが存在するが、選定する際重視すべきなのは目指す自動化のレベルである」と説く。同社によると、例えば、RPAやマクロといったUIをベースとした自動化ツールは、個人や部門内など閉じた自動化には有効だが、部門横断的ないし人による意思決定との組み合わせが必要となる業務プロセスの自動化においては、APIによるシステム間連携がより適しているという(図3)。

図3:自動化レベルとテクノロジーの関係(出典:ITR)
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 ITR シニア・アナリストの舘野真人氏は、「絶えず変化が求められるこれからの異種混在環境においては単一のテクノロジーで高度な自動化の持続は困難である」と指摘する。そのうえで同氏は次のように説明している。

 「特に、部門横断型の自動化を推進するうえでは、各アプリケーションの仕様変更の影響を受けにくいAPI連携の利用価値は大きく、今後はAPIによる自動化をベースに、局所的にRPAが得意とするUIによる自動化の採用がベストプラクティスとなる」。

 舘野氏は、企業のDX推進担当者に向けて、「自動化を巡る市場動向や技術トレンドを注視し、自社の目的に適した実現手段の構想化に着手することを強く推奨する」と助言している。

 同ホワイトペーパーは、ITRのWebサイトからダウンロードして入手できる。

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