[調査・レポート]

中堅・中小企業向けERPのシェア、トップ3にSMILE、GLOVIA、SAP ERP/A-One─ノークリサーチ

2022年10月12日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ノークリサーチは2022年10月11日、国内中堅・中小企業向けERPの市場シェアや導入形態についての調査結果を発表した。導入済みと新規導入予定を合わせたシェアの上位5社は、1位が「SMILEシリーズ(V/BS/Air)」、2位が「GLOVIA smart/iZ/SUMMIT」、3位が「SAP ERP/SAP Business All-in-One」、4位が「SAP Business One」、5位が同率で「奉行V ERP」と「OBIC7」だった。導入形態については、中堅・中小企業の場合、業務の内容に応じて社内設置パッケージとクラウドERPを併用して使い分けるケースが少なくないとした。

 ノークリサーチは、中堅・中小企業向けERPのシェアや導入形態について、中堅・中小企業(有効回答件数1300社)を対象に調査した。導入済みと新規導入予定を合わせたシェアの1位は大塚商会の「SMILEシリーズ(V/BS/Air)」、2位は富士通の「GLOVIA smart/iZ/SUMMIT」、3位はSAPジャパンの「SAP ERP/SAP Business All-in-One」、4位はSAPジャパンの「SAP Business One」、5位は同率でオービックビジネスコンサルタントの「奉行V ERP」とオービックの「OBIC7」だった(図1)。

図1:導入済み/導入予定のERP製品/サービス(複数回答可)(出典:ノークリサーチ)
拡大画像表示

 1位から5位までの製品については、導入予定から導入済みを差し引いた増減幅も記している。ノークリサーチは上位製品について、次のように分析している。「1位のSMILEシリーズは増減幅もプラスであることから、今後も1位を維持する可能性が高い。3位のSAP ERP/A-Oneはサポート終了の影響から、今後も減少が続く。4位のSAP B-OneはSAP ERP/A-Oneの代替としての導入が進んできたこともあり導入済みでは4位に位置しているが、増減幅はマイナスであることから代替需要も一巡しつつある可能性がある」。

 なお、ERPの新規導入予定を年商別に集計した結果では年商5~50億円の中小企業層が多く、同年商帯で基幹系統合によるERPへのステップアップが進みつつあると同社は見ている。

業務内容に応じてオンプレミスとSaaSを使い分ける

 調査では、導入済み/導入予定の主要なERP製品/サービスの運用形態(オンプレミス/クラウド)も尋ねている(図2)。「導入予定(新規予定)から導入済みを差し引いた値で目立つのは、パッケージ(IaaS/ホスティング利用)が14.7%から4.1%と10.6ポイント減少すること。アクセス数や処理量の変動が大きくリソース変動への対応を求める企業層での導入が一巡しつつある」(同社)。

図2:最も主要なERP製品/サービスの運用形態(複数回答可)(出典:ノークリサーチ)
拡大画像表示

 また、昨今では「会計、販売、人事給与、生産などの基幹系システムをすべて網羅しているわけではないが、何らかの業務基盤としての役割を担うことを目指したSaaS」としてクラウドERPを利用する動きが活発だという。実際に、シェアにおいても、マネーフォワードの「マネーフォワードクラウドERP」やfreeeの「クラウドERP freee」などが上位15位以内に位置している。

 中堅・中小企業における社内設置パッケージとクラウドERPの併用は、大企業の「2層ERP」とは違い、業務内容に応じて両者を使い分ける形態と捉えるのが適切だと同社は見る。実際にGLOVIAシリーズや「EXPLANNERシリーズ」は以前から、基幹系システムのモジュールごとに社内設置パッケージとSaaS利用を選択できている。SMILEシリーズも、2021年7月からSaaS形態の「SMILE V Air」を展開している。

関連キーワード

ノークリサーチ / 中堅・中小企業 / ERP / SMILE / SAP Business All-in-One / SAP Business One / 奉行V ERP / OBIC / 基幹システム / 大塚商会 / SAP / 富士通 / OBC

関連記事

トピックス

[Sponsored]

中堅・中小企業向けERPのシェア、トップ3にSMILE、GLOVIA、SAP ERP/A-One─ノークリサーチノークリサーチは2022年10月11日、国内中堅・中小企業向けERPの市場シェアや導入形態についての調査結果を発表した。導入済みと新規導入予定を合わせたシェアの上位5社は、1位が「SMILEシリーズ(V/BS/Air)」、2位が「GLOVIA smart/iZ/SUMMIT」、3位が「SAP ERP/SAP Business All-in-One」、4位が「SAP Business One」、5位が同率で「奉行V ERP」と「OBIC7」だった。導入形態については、中堅・中小企業の場合、業務の内容に応じて社内設置パッケージとクラウドERPを併用して使い分けるケースが少なくないとした。

PAGE TOP