[市場動向]

香味醗酵など、少数の匂い成分から各種の匂いを作り出す実験、メタバースへの実装を目指す

NTTの光イジングマシンで組み合わせ最適化計算を実施

2022年11月2日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTT、NTTデータ、香味醗酵の3社は2022年11月2日、少数の匂い成分から各種の匂い・香りを瞬時に再構成する実機検証を開始したと発表した。映像産業やメタバースに匂いを実装することを目指し、研究開発に取り組む。香味醗酵が持つ数千種類の匂い成分から最適な組み合わせを計算する。システム要素として、NTTが開発を進める光イジングマシン「LASOLV」とNTTデータのデータ分析技術を使う。

 NTT、NTTデータ、香味醗酵の3社は、少数の匂い成分から各種の匂い・香りを瞬時に再構成する実機検証を開始した。映像産業やメタバースに匂いを実装することを目指し、研究開発に取り組む。香味醗酵が持つ数千種類の匂い成分から最適な組み合わせを計算する。システム要素として、NTTが開発を進める光イジングマシン「LASOLV」とNTTデータのデータ分析技術を使う(図1)。

図1:匂い分子の組み合わせを最適化するイメージ(出典:NTT、NTTデータ、香味醗酵)
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 香味発酵が持つ匂い分子は数千種類におよび、これらの組み合わせは膨大である。こうした中、匂いデータベースにある別の匂い分子の中から最も適切な組み合わせを算出し、求める匂いを定量的に構成する。光イジングマシンのLASOLVで組み合わせを計算し、より良い香料が生み出せるか、開発期間をどれだけ短縮できるか、などの視点で、従来手法との比較評価を実施する。

 香味醗酵は、ヒトが感じる全ての匂いの情報をデジタルデータ(匂いコード:約400の波形データ)として記述する独自技術を開発している。さらに、この技術を用いた匂いデータベースを構築し、求める匂いを少数の匂い分子を組み合わせて再構成する技術を開発している。これにより、匂い情報を記録したり、これを保存・転送したり、再現したりできるようになる。

 しかし、匂いの再構成には、40万種類以上存在する匂い分子の匂いコードを組み合わせ、かつ経時的変化(波形データ)の形状までそろえる必要がある。このため、膨大な組み合わせに対する試作と評価を何度も繰り返す必要がある。NTTが開発を進めてきた光イジングマシンLASOLVと、NTTデータのデータ分析技術を活用し、この問題を解決する。

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