[調査・レポート]

国内エッジAI市場は前年比70.8%増、今後の成長ドライバーはAIエンジン─デロイト トーマツ ミック研

2022年11月7日(月)IT Leaders編集部

デロイト トーマツ ミック経済研究所は2022年11月4日、市場調査レポート「エッジAIコンピューティング市場の実態と将来展望 2022年度版」を2022年10月に発刊したと発表した。同レポートによると、2021年度の国内エッジAI分野の製品・サービス市場は前年比70.8%増の76億6000万円、2022年度は前年比52.7%増の117億円に達する見込み。2026年度まで年率41.3%増で推移し、2026年度には431億円規模に達するという。

 エッジAI分野の製品・サービス市場の調査にあたって、デロイト トーマツ ミック経済研究所は、市場規模をこの市場に参入する主要ベンダー37社への取材をベースに推計。そのうえで、これら企業の実績や戦略を分析し、エッジAIカメラ、エッジAIコンピュータ、エッジAI基盤サービスの各市場をエッジAIコンピューティング市場として、AIデバイス別、用途別、業種別の動向や成長予測を導き出した。

 加えて、AIエンジン、アプリケーション開発、SIサービスを含めた市場をエッジAIソリューション(エッジAI分野の課題を解決する製品・サービス)市場として把握し、市場規模を算出した。

 調査によると、2021年度の国内エッジAI分野の製品・サービス市場は前年比70.8%増の76.6憶円、2022年度は前年比52.7%増の117億円に達する見込み。成長要因として、IoTデバイスやカメラなどから収集したデータの活用や、エッジでのリアルタイム処理といったニーズの高まりを挙げている。

図1:エッジAI分野の製品・サービスにおける市場規模の推移(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
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 2026年度までの年平均成長率は41.3%増で推移し、2026年度には431億円規模に達すると見込む。同社によると、現在この市場を牽引しているのはエッジAIコンピュータ、AI基盤サービス、コンサルティングを含むSIサービスだが、2026年度までの年平均成長率では、AIエンジンが54.3%と最も高い成長が見込まれ、アプリケーション開発、エッジAI基盤サービスがこれに続くという。また、ハードウェアの中ではエッジAIカメラが42%と最も高い年平均成長率となるとしている。

 「コロナ禍の影響もあり、店舗や公共施設などでエッジAIカメラを使って人や車などをカウントし、混雑状況を可視化や危険予知・通報といった用途が増えている。さらに男女、年齢といった属性も解析し、マーケティングに活用する事例も多い。顧客映像の活用では、プライバシー侵害の問題も絡む。このため、エッジAIカメラによってエッジ側で映像処理し、個人を特定できないデータだけをサーバー側に送ってプライバシー問題をクリアしている。こうしたことから、エッジAIカメラの市場は今後も大きく伸びる」(同社)

 「エッジAIカメラでディープラーニング(深層学習)などを実行するのは、Raspberry Piのような組み込みIoTデバイスである。こうしたデバイス向けのAI開発プラットフォーム市場は、スタートアップを中心に2020年度頃から急速に立ち上がってきている」(同社)

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