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阪神本線でローカル5GとAI画像認識の実証実験、事故防止や巡視点検省力化などに活用

2022年12月6日(火)IT Leaders編集部

阪神電気鉄道(本社:大阪府大阪市)は2022年12月5日、阪神本線において、ローカル5GとAI画像認識を活用する実証実験を開始すると発表した。実験期間は2023年1月~2023年2月。地上カメラとAI画像認識を用いた事故の未然防止、車内防犯カメラの映像をローカル5Gで地上係員と共有、車上カメラとAI画像認識を用いた日常巡視点検の省人化などを実験する。

 阪神電気鉄道は2023年1月~2023年2月、阪神本線においてローカル5GとAI画像認識を活用する実証実験を開始する。対象は西宮駅~芦屋駅区間内の駅ホーム・踏切、御影駅周辺および走行中試運転列車内で、期間は2023年1月~2023年2月である。

 (1)地上カメラとAI画像認識を用いた事故の未然防止、(2)車内防犯カメラの映像をローカル5Gで地上係員と共有、(3)車上カメラとAI画像認識を用いた日常巡視点検の省人化について実験する(図1)。

図1:阪神電気鉄道が取り組む、ローカル5GとAI画像認識を活用した実験のイメージ(出典:阪神電気鉄道,アイテック阪急阪神、ベイ・コミュニケーションズ、阪神ケーブルエンジニアリング)
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 (1)地上カメラとAI画像認識を用いた事故の未然防止では、AI画像認識によって踏切や駅ホームで発生した危険を検知し、ローカル5Gで列車乗務員等に通知する。現地でスピーカーによって注意喚起を行い、事故の未然防止に努める。

 (2)車内防犯カメラの映像をローカル5Gでリアルタイムに地上係員と共有する。これにより、緊急時の対応を早め、乗客の安全確保に貢献する。

 (3)車上カメラとAI画像認識を用いた日常巡視点検の省人化では、列車前方に搭載したカメラの映像をもとにAI画像認識によって設備の異常を自動的に検知する。日々の巡視点検に関わる保守作業員の負荷を軽減する。

 阪神電気鉄道は2021年度、阪神電車武庫川線において、ローカル5GやAIの活用に向けた基礎検証を実施済み。今回、2021年度の基礎検証の発展として、車地上間通信を基盤としたシステムを新たに開発した。

 今回始める実証実験では、運行管理システムなど既存システムとの連携試験や現場での試行によって、安全対策の高度化や設備点検業務の省人化に関する有効性を評価し、課題を抽出し、将来実装に向けた具体的な検討を行う。

 なお、ローカル5Gについては、Sub6帯の電波を利用し、阪神本線の一部区間(西宮駅~芦屋駅、御影駅周辺)をカバーするように環境を構築する。こうして、鉄道線路上における電波伝搬や線路外への電波漏洩抑制手法に関する技術的検証を実施する。

 阪神電気鉄道は、実証実験後も実用化に向けて段階的に検証を進め、既存システムとの連携、検証線区の拡大などを検討していく。

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