[市場動向]

「SAP人材」の確保/育成に全力─NTTデータGSLの“次の10年”を担う人材戦略

個人の成長を組織の成長に─「GSL大学」が成果を生み始める

2023年3月17日(金)神 幸葉(IT Leaders編集部)

NTTデータ グローバルソリューションズ(NTTデータGSL)が、企業内大学の「GSL大学」などの取り組みで「SAP人材」の育成に全力を挙げている。同社は2012年の設立以来、SAP基幹システムの導入に関するコンサルティング/SI、保守運用を通じて、 顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX) 推進に必要な基盤整備を支援してきた。2023年2月21日の事業戦略説明会では、これまでのビジネスを振り返った後、これからの事業戦略、不足するSAP人材の確保・育成に取り組みをアピールした。

SAPとグローバル経営に特化して業容を拡大

 SAP ERPの専門家集団として知られるNTTデータ グローバルソリューションズ(NTTデータGSL)。2012年の同社設立以前、NTTデータグループにはSAPシステムに携わる組織が複数あった。NTTデータGSL 代表取締役社長の磯谷元伸氏(写真1)は、「ERPやSaaSは今ほど一般的ではなかったが、日本企業がグローバル化を進める中で、グローバルなERP製品ニーズが高まっていた」と当時を振り返った。

写真1:NTTデータ グローバルソリューションズ 代表取締役社長の磯谷元伸氏

 そのような市場背景の中で、NTTデータグループのSAP関連部門を集約し、専業企業として立ち上がったのがNTTデータGSLである。設立以来、日本企業のグローバル経営を加速させるべく、経営管理基盤としてのSAP製品・ソリューションをワンストップで提供してきた(図1)。

図1:NTTデータGSL、設立10年の歩み(出典:NTTデータGSL)
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 設立から11年が経ち、現在のNTTデータGSLが提供する製品・サービス群は、企業のDX推進を包括的に支援するまでに広がっている(図2)。磯谷氏は、「各業務領域でSAPをはじめとして豊富なメニューをカバーしている。各領域の専門コンサルタントが顧客を支援できるのが当社の特徴であり有位性である」と強調した。

図2:NTTデータGSLの提供サービス(出典:NTTデータGSL)
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 また、一貫して日系グローバル企業の国内外拠点を支援してきたことも特徴だ。海外拠点の10年間でのサポート実績は、米国、欧州にとどまらず、インド、南アフリカ、ルーマニア、トルコなど30カ国に上る。「これだけグローバル対応ができる日本企業発SAPパートナー企業は、数少ない存在であると自負している」(磯谷氏)。

 現在、年間100社以上の顧客企業を支援し、大規模プロジェクトも数多くこなしている。同社の社員数は2023年2月時点で約500人だが、今後は新卒・中途採用を進め、向こう1年で550人まで人員拡大を予定する。「より高度なプロジェクトにもチャレンジできる体制を構築していく」(磯谷氏)。

「クラウドが当然の時代」に合った企業のDX支援

 NTTデータGSLは、「次の10年」にどんなビジョンを持っているのか。磯谷氏はまず背景として、アイ・ティ・アール(ITR)の「IT投資動向調査2023」の調査結果を引用しながら説明した(図3

図3:基幹系システムクラウド化の重要度(出典:ITR「IT投資動向調査2023」)
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 「このグラフにあるように、基幹系システムのクラウド化の実践が重要度指数、2022年度の実施率、今後の実施予想においていずれも上位にある。『2025年の崖』問題などを前にクラウド化へのギアチェンジが進み、注目度も上がっている」(同氏)

 現在の同社はコアのSAPに加えて、各領域のSaaSとAPI連携でシームレスに連携する周辺エコシステムを持つ。このポートフォリオを、顧客のニーズに合わせて拡充していくという(図4)。

図4:SAPに加えて周辺エコシステムも展開する(出典:NTTデータGSL)
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 「今日の企業はクラウドサービスを使うのは当たり前、使って迅速に成果を出さなければいけない時代になった」と磯谷氏。「そこで当社は、クラウドサービスの機能を使いこなすための支援を行う。企業システムのライフサイクル全体で新たな価値提供をしながら支えて、日系グローバル企業とはパートナーシップの関係を構築していきたい」とした。

●Next:SAP人材の採用激化を重大な経営課題と捉えて「企業内大学」を開講

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