[調査・レポート]

人材/プロセス/テクノロジーの掛け合わせで生まれるイノベーション、日本の成熟度は?─デル調査

グローバル調査レポート「Innovation Index」より

2023年5月16日(火)神 幸葉(IT Leaders編集部)

デル・テクノロジーズは2023年5月15日、世界の企業・組織のイノベーションに関する調査レポート「Innovation Index」の結果を発表した。イノベーションが生まれる仕組みやグローバルおよび日本の成熟度、企業・組織がイノベーションを創出するために不可欠な「人材」「プロセス」「テクノロジー」の3側面でのポイントなどを説明している。

成熟度ベンチマークに見る日本企業のイノベーションレベル

 デル・テクノロジーズが世界の企業・組織のイノベーションに関する調査レポート「Innovation Index」を発表した。調査対象は世界45カ国以上、6600人の従業員(うち日本300人)である。

 同レポートでは、回答者を「イノベーション リーダー」から「イノベーション ラガード(後進企業・組織)」までの5段階のイノベーション成熟度ベンチマークに分類(図1)。上位2グループにあたる「イノベーション リーダー」「イノベーション アダプター(導入企業・組織)」に分類された企業・組織はグローバル全体で18%となり、日本は5%にとどまった。

 「これらのグループは、エンドツーエンドのイノベーション戦略があり、世界的な景気の後退やサプライチェーンの諸課題、環境への影響などのさまざまな逆風をうまく乗り切り、継続的な成長を実現している」(同社)。

 調査では、上位2グループが不況時にイノベーションを促進させる可能性を算出している。全体では下位グループ「イノベーション フォロワー」「イノベーション ラガード」などの2.2倍に上り、日本に限ると4倍だという。また、上位グループが、下位グループよりも高いレベルの売上成長を経験する可能性(2022年の年間売上成長予測が15%以上)は全体1.9倍、日本 2.9倍となった。こうした不況時のイノベーション創出は、困難な時期にもイノベーションを実行する決断力と能力を擁する「イノベーションレジリエンス」から来ているという。

図1:グローバル(45カ国)と日本の結果(出典:デル・テクノロジーズ)
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 デルは、このイノベーション成熟度曲線から、「大部分の企業・組織は、規定されたイノベーション戦略がないか、利益を上げるのに苦労していることがうかがえる」とし、イノベーションのための「人材」「プロセス」「テクノロジー」の3軸で準備を整えることで、企業・組織は改善を図ることができると述べている。

 「イノベーションを起こすのに、多くは大きなアイデアがひらめく瞬間を待っている。しかし、小さな実用的アイデアが、生産性、収益性、目的の実現につながる波及効果を生み出すこともある。いずれにしても、人材、プロセス、テクノロジーの3つがそろって、初めて価値が生み出される」(同社)。レポートではこの3つを次のように説明している。

人材:失敗から学ぶことを推奨する文化発展を

 人材に関してデルは、「企業・組織には、すべてのアイデアが違いを生み出し、失敗から学ぶことを奨励するイノベーションの文化を発展させるための支援が必要である」と説く。

 調査では、59%(日本:49%)が、「人材が辞めていくのは期待したほどのイノベーションを起こせなかったためである」、64%(日本:54%)が、「自社/自組織の企業文化のさまざまな側面が、自分たちの求める(できるはずの)革新性の実現を妨げている」と回答している。

 企業・組織文化は、リーダー層が設定およびモデル化するが、71%(日本:65%)が「自分のリーダーは自らのアイデアを優先する傾向がある」と回答した。イノベーションを妨げる個人的な障壁の上位には、「失敗を恐れること、リーダーとアイデアを共有する自信のなさ」などがある。

●Next:イノベーションを生むためのプロセスとテクノロジーで考慮すべきこと

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