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日立、SANストレージをAWSから提供する「VSP on cloud」、オンプレミスと同じストレージソフトが動作

2023年6月6日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所は2023年6月6日、クラウドストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform on cloud(VSP on cloud)」を提供開始した。同社のSANストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform」(VSP)のソフトウェアをAWSの仮想サーバー上で動かし、これを保守運用サービス込みのクラウドストレージとして提供する。ソフトウェアはVSPと共通で、VSPが備えるストレージ機能を利用可能である。ストレージをオンプレミス環境からクラウドに移行する用途やクラウドへのデータレプリケーション、DR(災害復旧)などの用途に向く。価格は個別見積もり。

 日立製作所の「Hitachi Virtual Storage Platform on cloud(VSP on cloud)」は、クラウド型のストレージサービスである。同社のSANストレージ製品「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」のソフトウェアを、Amazon Web Services(AWS)の仮想サーバー上で動かし、これを保守運用サービス込みのクラウド型ストレージとして提供する(図1)。

図1:VSP on cloudの概要と主な用途(出典:日立製作所)
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 Amazon EC2(x86仮想サーバー)上でVPSのストレージソフトウェアを動作させ、AWSのブロックストレージであるAmazon EBS(Amazon Elastic Block Store)をストレージのリソースとして使う。Amazon EBSを束ねてストレージプールを形成する。ストレージソフトはVSPと共通であるため、VSPが備えるストレージ機能を利用可能である。

 主な用途として同社は、ストレージをオンプレミス環境からクラウド環境に移行する用途、データをクラウド環境で活用するためのデータレプリケーション、DR(災害復旧)サイトの構築、などを挙げる。ユーザーは、VSPを、オンプレミス環境やクラウド環境を問うことなく、所望の環境で利用可能である。

 VSPはこれまで、稼働環境や利用用途を拡大する形で機能を強化してきた。例えば、2021年には、VSPをSDS(ソフトウェア定義型ストレージ)の形で実装した「Hitachi Virtual Storage Software Block」(VSS Block)を発表している。ただし、VSS BlockはVMware ESXi上で動作する仮想アプライアンスであり、AWS(Amazon EC2)にはデプロイできなかった。

 今回、VSS Blockと同様のSDSを、AWS上で動作するようにし、さらにクラウドサービスとして提供開始した形である。なお、AWS上で動作するSDS版のVSPについては、クラウドサービスでの提供に限り、SDS製品(ソフトウェア単体)としては販売しない。

 今後は、可用性を強化する。2023年度第4四半期には、耐障害性を高めるために書き込みデータを多重化できるようにするほか、クラウド基盤の障害に備えてマルチアベイラビリティゾーン構成を採れるようにする。

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日立製作所 / AWS / SDS / クラウドストレージ

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