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[調査・レポート]

キャリア形成に向けた自律的な行動は20代から40代にかけて減少─日本総研・アビーム調査

2023年6月7日(水)IT Leaders編集部

日本総合研究所とアビームコンサルティングは2023年6月6日、キャリアの構築に向けて自律的に行動する「プロアクティブ人材」の実態と環境要因について、企業に勤務する2万400人を対象にした調査の結果を発表した(調査期間:2022年1月6日~12日)。調査によると、職務の成果、キャリア実現度、仕事への意欲の3要素すべてにおいて、プロアクティブ人材の数値は非プロアクティブ人材の約2倍だった。

 日本総合研究所とアビームコンサルティングは、キャリアの構築に向けて自律的に行動する「プロアクティブ人材」の実態と環境要因について、企業に勤務する2万400人を対象に調査した。調査期間は2022年1月6日~12日で、Web形式でアンケート(選択+自由記述)を実施した。

 調査では、キャリアを自ら築いていくための自律的な行動(革新行動、外部ネットワーク探索行動、組織化行動、キャリア開発行動)の実践度合いを5段階で測定し、数値(プロアクティブ度)が4.0以上の人を「プロアクティブ人材」、2.0以下の人を「非プロアクティブ人材」と定義している。

プロアクティブ度はアウトカムの高さに直結

 図1は、プロアクティブ人材が企業にとって有益かどうかを分析するため、プロアクティブ度とアウトカム(社会や業績に与える影響)の関係を調べた結果である。

図1:アウトカムとプロアクティブ度との相関関係(出典:日本総合研究所、アビームコンサルティング)
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 組織内における自身の評価を示す「職務成果」、自身のキャリアの実現度合いを示す「自己実現」、仕事に対する意欲・熱意などを示す「ワークエンゲージメント」の3要素をアウトカムとし、プロアクティブ人材および非プロアクティブ人材ごとに算出している。

 結果を見ると、3要素すべてにおいて、プロアクティブ人材の方が非プロアクティブ人材の2倍近くの数値を示し、プロアクティブ度の高さがアウトカムの高さに直結することが分かった。「プロアクティブ人材の育成自体が企業価値の向上につながることの示唆と言える」(両社)としている。

プロアクティブ度は20代から40代にかけて減少

 プロアクティブ度について、年齢別および男女別の違いも調べている(図2)。

図2:年齢帯別のプロアクティブ度(出典:日本総合研究所、アビームコンサルティング)
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 プロアクティブ度は20代から40代に向けて下がっていき、その後60歳代に向かって持ち直していく傾向がある。特に、業務上中核的な存在であることが多い40代の値が最も低く、低下幅は男性の方が大きい。

 これは、入社当初はプロアクティブであった人材が、年齢を重ねるにつれて非プロアクティブな人材に変容していってしまっていることを示している。プロアクティブ度の減少に直面しているミドル層に対して、いかにプロアクティブ度を維持・向上させていくかが、今後の重要な経営課題の1つになる。

●Next:企業が従業員のプロアクティブ度を高めるためには

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