要件に応じて異なるクラウド サービスを適宜選択、使い分けるマルチ クラウドに対するニーズはさらに拡大している。適材適所のサービス利用や、プラットフォームの分散による障害発生時の事業継続性の確保など、その理由は様々だ。そうした中で、近年では、マルチ クラウド環境においてもシームレスにデータを移行、連携、活用できるデータベース基盤の実現が求められている。だが、複数のクラウド サービス間での迅速かつスムーズなデータ移行やデータ連携を実現させることは至難の業だ。そうした課題を解消するものが、Aiven のデータ プラットフォームだ。クラウド型のデプロイ／マネージド サービスとして提供される同社のプラットフォームはどのように実現され、どのようなメリットをもたらすのか――。
Aiven Japan 合同会社 Country Manager 嘉門延親氏
クラウドエース株式会社 事業推進本部／マーケティング部 部長 小澤大地氏
マルチ クラウド環境でのスムーズなデータ連携
どうすれば実現できるか？
ビジネスや業務の要件に応じたクラウド サービスの適材適所による使い分けや、BCP（事業継続計画）を考慮した異なるクラウド サービス間でのバックアップの実現など、近年、企業におけるマルチ クラウドの活用が拡大しつつある。そうした中で急浮上している課題が、クラウド間を横断したデータ活用だ。
「マルチ クラウド上に分散されているデータを統合し横断的に分析したり、複数のクラウド間でデータを移行させたりするのには様々な労苦やコストを要するため、その対応に苦慮している企業は少なくありません」と強調するのは、Aiven Japan 合同会社で Country Manager を務める嘉門延親氏である。
「事実、アプリケーション開発者はクラウド サービス上でデータベース基盤を取り扱うことの難しさを常に感じています。各クラウド ベンダーからはマネージド データベース サービスが提供されていますが、その運用にはインフラやセキュリティに関する広範なスキルや知識が求められるからです。当然、利用するサービスが異なれば、それぞれに対して設定などを習得しなければなりません」（嘉門氏）
システムの側面からも、マルチ クラウド環境でのデータ移行、連携、共有に際しては障壁が立ち塞がる。クラウド間でリアルタイムでのデータ移行を行うのは困難であることに加え、やり取りするデータ容量が多ければ、その分、コストも跳ね上がってしまうからだ。
「そしてマルチ クラウド間でスムーズなデータ連携が行えないことによる最大の損失は、適材適所のサービスが利用できないことです。昨今では、Google Cloud のデータ ウェアハウス『BigQuery』や、機械学習プラットフォームである『Vertex AI』を利用して、より高度なデータ分析を行いたい、という声が多くの企業から寄せられています。しかし、他クラウド サービス上でアプリケーションやデータベース基盤を構築している場合、それらの先進的なテクノロジーの利用を行いたくとも、多くの労苦が伴うことから断念あるいは先送りしている企業も少なくないのではないでしょうか」（嘉門氏）
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