プロセスマイニング プロセスマイニング記事一覧へ

[Sponsored]

[プロセスマイニング コンファレンス 2023 LIVE]

次世代のプロセスマイニング技術が
業務プロセスの複雑性を紐解く

2023年8月3日(木)

プロセスマイニングが日本市場で認識されるようになってから数年が経ち、ようやく日本企業への導入も進んできたところだ。一方で、関連技術の進化は続いており、プロセスマイニングの可能性を広げている。2023年6月30日にオンライン開催した「プロセスマイニングカンファレンス2023 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションにCelonis バリューエンジニアリング本部 部長の寺田有汰氏が登壇。日本におけるプロセスマイニングの活用状況や同社の取り組み、注目すべきプロセスマイニングの最新技術を解説した。

複雑性を紐解くには、データによるアプローチが重要になる

 2011年にプロセスマイニング技術を中核とするスタートアップとしてドイツで創業し、「企業の業務プロセスに潜む改善機会を見つけ出し、改善することで、これまで不可能と考えられていたレベルの業務パフォーマンスを実現する」ことをモットーにプロセスマイニング市場を切り開いてきたCelonis。現在は、世界22カ国、1350社以上にサービスを展開し、各種調査会社からプロセスマイニング市場のリーダーとして評価されている。バリューエンジニアリング本部部長の寺田有汰氏は、市場の動向についてこう解説する。

写真1:Celonis バリューエンジニアリング本部 部長の寺田有汰氏

 「プロセスマイニングはさまざまな領域で活用が進んでいます。販売管理やカスタマーサービスのような顧客接点を改善する目的でも使えますし、財務・事務などバックオフィスの非効率な部分を探すこともできます。また、世界状勢が不安定になるなか、安定的にモノを調達するためのサプライチェーン領域や、製品・サービスの品質の高さや透明性を担保することにも使えます。取り組みを進めるうえで、業務視点でプロセスを改善することが重要だと考えています」(寺田氏)

 多くの企業において業務プロセスは複雑に入り組んでおり、現場へのヒアリングだけで実態を把握することは難しくなっている。その複雑性を紐解くにはデータによるアプローチが重要になるという。その取り組みを推進するためにCelonisが提供するのが、データを使って実際に改善するためのプラットフォーム「Celonis Execution Management System(EMS)」となる。

全体を俯瞰、森や木の視点で分析して改善のアクションへ

 Celonis EMSは、データを連携する部分と取得したデータからプロセス観点で知見を提供する部分、その知見をアクションにつなげていく部分という3つのコンポーネントで構成されており(図1)、全体のトレンドを把握できるControl Tower、業務プロセスを可視化するProcess Explorer、KPIや属性情報といった業務視点で必要な分析情報を提供するBusiness Miner、対応の優先度を示し自動実行するBusiness Appといった機能を提供する。

図1:Celonis EMSを構成する3つのコンポーネント(出典:Celonis)
拡大画像表示

 請求書処理プロセスを例に取ると、CFOがControl Towerで支払期限遵守率が悪化傾向にあることを確認し、次にプロセスアナリストがProcess Explorerで3点照合に伴う支払ブロックが大量に発生することを確認する。その後業務の責任者がBusiness Minerから必要な対策や改善可能性を確認し、Business Appによりどの順番で請求書処理に対応するべきか優先度を提示し、日々のオペレーションでの自動実行に落とし込んでいく。

 「森の視点で問題があるプロセスを見つけること、木の視点でドリルダウンすること、最終的に問題を具体的なアクションとして解決することまでを1つのプラットフォームとして提供します」(寺田氏)

 このように、Celonis EMSは、具体的なビジネス価値の創出に貢献することが可能だ。注文処理対応時間を最適化し注文キャンセルを削減することで売り上げ増加を実現したケースや、配送トラックの走行距離を17%削減することで数億円規模の輸送コストとCO2排出量を削減したケース、現金回収効率の最適化により1500億円規模のフリーキャッシュフローを改善したケースなどが成功事例として挙げられる。

 日本では2019年から事業を展開しており、日本特有のビジネスオペレーションへの対応にも力を入れている。そのなかで日本企業が抱えやすい課題も見えてきたという。

高い視座からの全体最適を進め、村社会的な取り組みから脱却

 日本企業のビジネスオペレーションの状況について、寺田氏はこう分析する。

 「日本企業は改善活動に積極的ですが、システムや組織が分散して全社的なビジネス戦略と連携できない、個別最適なオペレーションになりやすい、個人の努力で現場の課題が解決されるため全社的に課題が見えにくくなるといった傾向が見られます。そうしたなかで有効なアプローチとなるのは、複数部門にわたるプロセスをプロセス改善の金脈ととらえ、高い視座からの全体最適を進め、村社会的な取り組みから脱却を図っていくことです。ポストコロナのなか、デジタルを意識した新しいビジネスオペレーションを定義することが重要です」(寺田氏)

 取り組みを進めるには、デジタルテクノロジーを導入するだけではなく、経営層から現場まで高いモチベーションで改善を進める仲間づくりが重要になるという。そこでCelonis Japanでは、人と人とのつながりを強化する施策や、価値創出のためのフレームワークの提供、最新技術を活用したプラットフォームの提供に力を入れている。

 「つながりの強化としては、経営層やユーザーの情報交換の場である『Celonisエグゼクティブ情報交換会』『Celonis Champion Club』『Celonisユーザー会』を開催しています。また、パートナーエコシステムの強化として、200を超えるパートナー企業、300を超える研究機関との間でパートナーシップを結び、日本特有のビジネス環境に柔軟に対応しています」(寺田氏)

 つながりの強化に加え、ビジネス価値の創出に向けて、顧客とのクイックウィン、つまり長期的視点にたちつつ短期・中期での成果を上げていく、という方策を加速するバリューフレームワークの提供を推進している(図2)。

図2:価値の特定から実現まで、Celonis EMS導入をクイックウィンにつなげるバリューフレームワーク(出典:Celonis)
拡大画像表示

 「あるお客様は、SAP HANA移行を皮切りに、保守業務の効率化やセキュリティインシデントシステムの定着化など、10件以上のプロジェクトにCelonisを適用、現在も常に2〜3件のプロジェクトでCelonisを活用しています。20年来稼働してきたシステムについて、Celonisを適用して非効率なところを見つけ、半年で約1億円のコスト削減を実現されたお客様もいます。成果を上げているお客様に共通しているのは、目的を明確にし、クイックウィンを創出することで、現場が活性化し、活用が促進されていることです」(寺田氏)

 Celonis Japanでは、クイックウィン創出に向けて、価値の特定から価値の刈り取りまでを実現するバリューフレームワークを提供し、取り組みを支えている。

オブジェクトの概念を取り入れたOCPMを製品化

 最新のトピックとしては、新たな研究技術である「オブジェクトセントリックプロセスマイニング(OCPM)」の概念を製品に反映させたことや、大規模言語モデル(LLM)の活用などが挙げられる。

 寺田氏は「OCPMは、従来のケースIDではなく、上位概念となるオブジェクトを単位としてビジネスプロセスをモデル化する手法です」と説明する。従来、プロセスマイニングのイベントログは、アクティビティ、タイムスタンプ、ケースIDという3つの要素で成り立っていた。この3要素でプロセスを可視化した場合、ケースIDの振り方によって、どうしても実際と異なる見え方をしてしまうという事象が、一部発生していた。OCPMでは、ケースIDの部分をオブジェクトの中のケースIDを使って分析することで、複雑にからみあった複数のプロセスの相互関係を、より正確に表現できるようになるという(図3)。

図3:従来のケースIDの上位概念となるオブジェクト単位にビジネスプロセスをモデル化するOCPM(出典:Celonis)
拡大画像表示

 「OCPMというのは、複数の交差する、またがったプロセスの関係性をより正しく可視化できるという、日本でも、今後かなり重要になっていく技術です」(寺田氏)

 CelonisではこのOCPMの技術を取り入れて、販売、出荷、請求といった流れのオブジェクトを切り替えていきながら、アナリストがより複数の関連性を意識して分析できる「Process Sphere」、製品を生産する工程を確認する際に、在庫の流れのリードタイムを見ていくことで現在の状況を把握する「E2Eリードタイムアプリ」といったソリューションを提供していく。

 LLMの活用では、「自然言語による対話型の分析環境を実現し、プロセスマイニングの結果からインサイトを素早く特定するなど、次世代の分析体験を提供できるようになります」(寺田氏)

 市場リーダーとして、日本特有の課題への対応から、新しい技術を取り入れたソリューションの提供まで、Celonisへの期待は高まるばかりだ。寺田氏は最後に「日本のプロセスマイニングを盛り上げ、次世代の生産性を実現し、日本を元気にしていきます」と述べ、講演を締めくくった。


●お問い合わせ先

Celonis株式会社

URL: https://www.celonis.com/jp
メールアドレス:marketing-japan@celonis.com
電話:03-4520-6200

バックナンバー
プロセスマイニング コンファレンス 2023 LIVE一覧へ
関連記事

トピックス

[Sponsored]

次世代のプロセスマイニング技術が 業務プロセスの複雑性を紐解くプロセスマイニングが日本市場で認識されるようになってから数年が経ち、ようやく日本企業への導入も進んできたところだ。一方で、関連技術の進化は続いており、プロセスマイニングの可能性を広げている。2023年6月30日にオンライン開催した「プロセスマイニングカンファレンス2023 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションにCelonis バリューエンジニアリング本部 部長の寺田有汰氏が登壇。日本におけるプロセスマイニングの活用状況や同社の取り組み、注目すべきプロセスマイニングの最新技術を解説した。

PAGE TOP