[新製品・サービス]

2023年10月18日(水)日川 佳三（IT Leaders編集部）

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　Sansanの「Contract One」は、契約書の形式（紙の契約書、電子契約書など）を問わず、契約業務がオンライン上で完結するクラウドサービスである（関連記事：契約業務クラウド「Contract One」、GPTを用いて契約書を要約する「AI要約機能」を追加）。

　紙の契約書をクラウド上で受領し、AI-OCR（光学文字認識）でデータ化し、電子的に保存する。紙の契約書を締結する場合は、Contract Oneが押印・印刷・製本、発送を代行する。また、主要な電子契約サービスと連携し、電子契約を管理する。

　Contract Oneで交わした契約書はクラウド上で一元管理する。過去の契約書の検索機能を備えており、取引先とのトラブルなどで緊急に契約書を確認するケースや、新たに締結する契約書のドラフト作成で類似契約を参照するケースなどに役立つ。

　今回、契約状況を正確に把握するための新機能を発表した。(1)契約ツリー（提供時期：2024年2月頃）、(2)契約状況判定（同2024年2月頃）、(3)「カスタム台帳」（同2024年春）の3つである。開発意図について同社は「契約情報を効果的に活用して収益の向上につなげるためには、契約の見直しを的確に判断できる環境が必要である」としている。

(1)契約ツリー
　親子関係にある契約書同士をツリー形式で管理する機能。Contract Oneで契約書をデータ化すると、「基本契約」を親契約、「秘密保持契約」や「覚書」などを子契約として自動判別して関連付け、契約ツリーとして関連性を可視化する（画面1）。

画面1：契約ツリー機能の画面（出典：Sansan）
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　同機能により、これまで各書類を個別に管理していたため、契約状況を正確に理解することが難しく、契約の更新漏れや不必要な更新による追加費用の発生なども発生していた問題を解決する。「原材料の高騰などにより部門横断で契約の見直しが必要になった場合も、対象となる契約群を洗い出して関連情報を加味しながら判断可能」としている。

(2)契約状況判定
　各契約のステータスを「契約中」と「契約終了」に自動で分類する機能。ステータスを確認したうえで契約を終了するか再締結するかを判断可能である。データベース化した契約情報から、契約終了日や自動更新の有無、更新期間を自動で読み取る（画面2）。

画面2：契約状況判定機能の画面（出典：Sansan）
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　なお、終了日の記載がない場合は「契約終了日記載なし」と表示する。契約終了日が経過しているが自動更新の定めがあるもの、すなわち意図せず自動更新されている可能性がある契約書は「契約終了日を経過、自動更新が有り」と表示する。

(3)カスタム台帳
　任意の検索条件を「タブ」に保存して、必要な契約情報の一覧を切り替えられる機能。契約先名やタイトルなどの定型項目だけでなく、取引条件で絞り込んだ一覧を作成可能である。これに対して従来は、閲覧権限のある契約書すべてを一覧で表示していた（画面3）。

画面3：カスタム台帳機能の画面（出典：Sansan）
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