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建設機械をIOWN全光ネットワーク経由で遠隔操作、現場作業を正確に把握─NTT

2023年11月10日(金)IT Leaders編集部

NTTは2023年11月9日、現場の建設機械と遠隔操作システムをオールフォトニクスネットワーク(APN:全光ネットワーク)で接続し、違和感のない遠隔操作が行えることを実証したと発表した。大容量・低遅延・確定遅延の特徴を持つIOWN APNを採用し、用途が異なる2種類の建設機械を用いるユースケースで検証を行った。現場の映像を低遅延で伝送することで、遠隔地にいるオペレーターが現場の状況を正確に把握できる環境を実現したとしている。

 NTTは、現場の建設機械と遠隔操作システムをオールフォトニクスネットワーク(APN:全光ネットワーク)で接続し、違和感のない遠隔操作が行えることを実証した。

 大容量・低遅延・確定遅延の特徴を持つNTTのIOWN APNを採用し、用途が異なる2種類の建設機械を用いるユースケースで検証を行った。現場の映像を低遅延で伝送することで、遠隔地にいるオペレーターが現場の状況を正確に把握できる環境を実現したとしている(図1)。

図1:IOWN APNを用いて建設機械を遠隔操作する実証の概要(出典:NTT)
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 「工事現場で遠隔操作が導入され始めている一方、広大な敷地において土を掘ってダンプカーに積む作業など活用するエリアや適用するユースケースが限定的である。利用エリアの拡大や、より精緻な現場工程への適用には、さらなる操作性の向上や安全性の確保が求められている」(NTT)

 実証では、実際の工事現場の建設機械を遠隔拠点のオフィスから遠隔操作する想定で、遠隔操作用コックピットをNTT武蔵野研究開発センタに、建設機械を遠隔の現場に設置し、2拠点間をAPNで接続。拠点や操作対象の建設機械が異なる2つのユースケースにおいて、建設機械の制御信号と現場の映像を伝送し、建設機械の動作を検証した。

 (1)「無線と組み合わせて油圧ショベルを遠隔操作するユースケース」では、コマツ製油圧ショベルを千葉県美浜区のコマツIoTセンター東京に設置し、コマツとEARTHBRAINが共同開発した遠隔操作システムを利用して、遠隔操作およびリアルタイムでの現場環境の確認を実証した。

 APNと無線の組み合わせによって遠隔操作システムを低遅延化することで、操作性が向上するかなどを確認した。また、NTTの低遅延映像伝送技術を用いて現場の映像を4K解像度で画質劣化なく伝送。遠隔地にいるオペレーターからでも現場の状況を正確に把握できることを確認した。

 (2)「End-to-Endでの有線接続で定置式タワークレーンを遠隔操作するユースケース」では、竹中工務店西日本機材センター(大阪府堺市)に設置したタワークレーンに対し、タワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo」を利用して遠隔操作を検証した。TawaRemoの映像伝送には、ジザイエの低遅延映像伝送技術を搭載したリアルタイム遠隔就労支援プラットフォーム「JIZAIPAD」とAPNを組み合わせてリアルタイム映像伝送の動作を検証した。

 熟練の作業者の遠隔操作品質を担保するために規定した500ミリ秒以内という遅延値に対して、タワークレーンまでAPNで接続することで東京/大阪間の約500kmにおいても常時許容可能な遅延値内で揚重などの遠隔操作を実現できることを確認した。また、APNの確定遅延特性を考慮することにより、ジザイエの低遅延映像伝送技術におけるバッファ時間のさらなる短縮が可能になり、リアルタイム映像伝送に対する有効性を確認した。

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