国内企業のIT予算は2024年度も増額基調が継続、AIへの投資意欲が加速─ITR

2023年11月20日(月)日川佳三（IT Leaders編集部）

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アイ・ティ・アール（ITR）は2023年11月20日、同年8月に実施した「国内IT投資動向調査」の一部結果を発表した。調査結果によると、2023年度のIT予算額が増額したと回答した企業の割合は44％で、前年度の同回答（41％）を3ポイント上回った。また、2024年度のIT予算額の増額を見込む企業は44％で、増額基調が継続すると予測している。

　アイ・ティ・アール（ITR）は、年次で実施している「国内IT投資動向調査」の一部結果を発表した。2023年8月18日から9月1日にかけてIT投資動向を調査している。調査対象は、ITRの国内顧客企業や主催セミナーへの出席者、Web調査の独自パネルメンバーなどのうち、IT戦略・IT投資の意思決定に関与する役職者で、2259人から有効な回答を得た。全調査結果・分析は同日に販売開始したレポート「国内IT投資動向調査報告書2024」に掲載している。

図1：IT予算額の増減（2022～2024年度予想）（出典：アイ・ティ・アール）
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　調査によると、2023年度（2023年4月～2024年3月）のIT予算額が増額したと回答した企業の割合は44%で、前年（2022年度）の同回答（41%）を上回った。2023年度に減額した企業は2ポイント減の5%だった。2024年度のIT予算額で増額を見込む企業は44%で、増額基調が継続すると予測している（図1）。

　図2は、増減傾向を指数化した「IT投資インデックス」の推移である。実績値は3年連続で上昇し、2023年度は前年の予想値（3.32）を上回る3.69となり、過去最高値である2006年度の実績値（3.88）に迫った。また、2024年度の予想値は3.60と、2023年度とほぼ同水準の高いIT投資意欲を維持することがIT投資インデックスでも示されている。

図2：IT投資インデックスの推移（2001～2024年度予想）（出典：アイ・ティ・アール）
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ビジネス領域のDXに取り組む企業が増加

　調査では、企業におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）の推進に向けた具体的な施策の進展状況を確認すべく、DXに関する16項目のテーマへの取り組み状況を尋ねている。「進行中・実施済みとした企業では、『ワークスタイルの変革』と『業務の自動化』が共に4割を超えたが、これらを含め、ほとんどのDXテーマは前年度からほぼ横ばいだった」（ITR）。

　こうした中で同社は、「製品・サービスの付加価値向上」や「他社との共創、エコシステムの構築」といった「製品・サービスの競争力向上領域」のDXテーマでは、進行中・実施済みの企業や成果が出ている企業が増えていることに注目している。「社内業務やシステムだけでなく、ようやくビジネス領域でのDXテーマに取り組む企業が増えてきたことが読み取れる」（同社）。