[市場動向]

エクサウィザーズ、画像認識AIを活用した自動車の外装検品自動化システムを開発

三井物産と協業し、自動車のリサイクル/リユース領域で検討

2023年12月6日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

エクサウィザーズは2023年12月6日、画像から領域ごとの状態を自動で識別するAIモデルを開発し、同モデルを活用したアプリケーションとして自動車の外装を自動で検品するシステムを開発したと発表した。これまで人間が目視で行っていた検品作業や品質管理などの業務を効率性と均質性の両面で高度化できるとしている。現在、三井物産の鉄鋼製品本部と協業し、自動車のリサイクル/リユース領域での活用の検討を進めている。

 エクサウィザーズは、画像から領域ごとの状態を自動で識別するAIモデルを開発した。開発にあたっては、画像に映るものを分割して識別する基盤モデル「SAM(Segment Anything Model)」や、言語と画像のマルチモーダル基盤モデル「Clip」などを活用。データセットの作成から独自AIモデルの開発までの一連のプロセスを高速化している。各種の領域において、用途に適したAIモデルをスピーディーに開発可能だとしている。

 合わせて、同モデルを活用したアプリケーションとして自動車の外装を自動で検品するシステムを開発している。これまで人間が目視で行っていた検品作業や品質管理などの業務を自動化する。

 開発した外装検品自動化システムは、一般的なカメラで車の周囲を撮影してアップロードするとAIがパーツごとの傷や凹みを検出する。また、画像と共に車のメーカー名、モデル名、グレード名などの情報を同時にアップロードすることで、より精緻な識別も可能である。

 現在、三井物産の鉄鋼製品本部と協業し、自動車のリサイクル/リユース領域での活用の検討を進めている。検品作業の自動化によって、検品担当者の負荷を軽減し、経験や技術の違いによる検品結果の揺らぎをなくすとしている。

 外装検品以外のユースケースとして、自動車の査定や建築物の損傷評価を挙げる。自動車の査定業務では、自動車のオーナーがより公正な査定を受けられるようになる。検出した損傷情報をデータベースに保存することで、車両引き渡し後の査定環境で意図しない損傷が生じた場合にも検知できる。一方、査定事業者は、専門知識を持ったスタッフや大規模なシステムを必要とせずに車両を査定できるようになる。

 業界ごとの主なユースケースとして以下を挙げている。

  • 自動車:車体や部品の損傷チェック、リース車両や自動車の状態評価、事故車の損傷調査
  • 建築・建設:建物や構造物の健康診断、地震などの自然災害後の建築物の損傷評価
  • 航空:飛行機の外部検査での傷や凹みの検出、エンジンやタービン部品の状態評価
  • 製造:製品の品質検査、生産ラインでの欠陥部品の検出による管理作業
  • インフラ:定期的な状態識別の自動化による点検業務
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