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財務計画分析のAnaplan、新計算エンジンで実業務に近い大規模データモデルを分析可能に

2023年12月13日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米Anaplan日本法人のAnaplan Japanは2023年12月13日、クラウド型財務計画分析アプリケーション「Anaplan」において同年6月以降に追加した機能と、今後予定する新機能について説明した。大規模データセットを分析するための機能「Polaris」、ワークフロー機能の「Workflow」、地理情報を扱えるようにする「Geo-Mapping」などを追加してきた。今後、データの準備時間の問題を解決する機能として、DMS(データ管理システム)を追加する予定である。

 Anaplan Japanの「Anaplan」は、販売実績や需要予測に基づく販売計画・予算編成といった財務計画分析(FP&A:Financial Planning & Analysis)を支援するクラウドサービスである。管理会計やSCM(サプライチェーン管理)などで必要な財務計画の策定を支援し、計画の実現可能性をシミュレーションと共に分析する(関連記事「会計、営業、調達などの組織を横断して計画を立てられる」、財務計画分析クラウドのAnaplan)。

 2023年6月以降の機能強化として、(1)大規模データセットを分析するための新たな計算エンジン「Polaris」の追加(同年6月)、(2)ワークフロー機能「Workflow」の追加(同年10月)、(3)地理情報を扱うための「Geo-Mapping」の追加(同年11月)がある。

 (1)のPolarisは、Anaplanの従来の計算エンジンと比べて、より大量で複雑なデータセットを扱い、業務の全体像を俯瞰する大規模モデルを構築できる。グローバルにサプライチェーンを展開する企業の場合、地理的な境界やタイムゾーン、生産する各製品に必要な全SKU・部品、各工場、倉庫、施設といった要素を含めた大規模モデルを構築可能という(図1)。

図1:新計算エンジン「Polaris」と旧エンジンの違い(出典:Anaplan Japan)
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 同社はPolarisについて、大規模なモデルを構築するために、まばらなデータセットを効率よく扱う新しい仕組みだとして例を挙げて説明した。「6つの営業部門、6つの製品、6つの顧客というケースでは6の3乗で216個のデータ空間が作成される。従来のデータエンジンは216個の空間に3つしかデータが入っていなくても、216個すべてのデータ領域をメモリー上に確保していた。これに対してPolarisは、実際にデータが入っている3つのデータ領域分のみを管理する」。

 Polarisによって、実際の業務に近い大規模データモデルを管理できるようになった。9個のディメンジョンを持つモデルのデモとして、36カ国、実績/予算/見込みデータ、10万個のSKU、5つの販売チャネル、47都道府県、1000の仕入先・請求先・出荷先、販売数量と単価など9個のディメンジョン(次元)で構成したデータモデルを扱った分析画面を示した(画面1)。

 モデルのサイズとデータ量の例として、これらすべてのデータを従来の計算エンジンで扱う場合、データ量は19万PBになる。これがPolarisの場合、仮に3万件のデータを投入した場合、データ量は12GBで済むという。

画面1:大規模データモデルを使った分析・計画アプリケーションのデモ画面。計算エンジンにPolarisを使うことで、小さなデータサイズで大規模データモデルを扱えるようになる(出典:Anaplan Japan)
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●Next:ワークフロー機能と地理空間マッピング機能

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