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金融サービス向け開発基盤「IIJ Raptor」をコンテナ型に刷新、負荷に応じた拡張を容易に

2024年2月6日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

インターネットイニシアティブ(IIJ)は2024年2月5日、金融事業者(FX/証券/銀行)向けクラウド型システム開発プラットフォーム「IIJ Raptorサービス」のシステム基盤をコンテナ構成に刷新したと発表した。Kubernetesを用いて拡張性、性能、セキュリティ機能などの向上を図り、大量の取引が生じ流動性の高い為替市場において安定稼働を実現するとしている。先行してソニー銀行が為替取引サービスに新システム基盤を採用し、2023年9月に稼働を開始している。

 IIJの「IIJ Raptor(ラプター)サービス」は、金融事業者(FX/証券/銀行)向けのクラウド型業務アプリケーション開発・実行プラットフォーム基盤である。注文約定やレート生成を行う「コア機能」、投資家向けの「チャネル機能」、事業者向けの「バックオフィス機能」などで構成する。金融機関がみずからの金融サービスで必要なコンポーネントを組み合わせて構築する。2010年のリリース以降、十数社が金融サービス基盤として導入・稼働している。

図1:コンテナベースで再設計した「IIJ Raptorサービス」新システム基盤の概要(出典:インターネットイニシアティブ)
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 今回、IIJ Raptorのシステムアーキテクチャをコンテナベースに刷新した。Kubernetesを用いて従来のシステム基盤と比べて拡張性、性能、セキュリティ機能などの向上を図り、大量の取引が生じ、流動性の高い為替市場において安定稼働を実現するとしている(図1)。

 新システム基盤は、システム資源を負荷に応じて自動増減させるオートスケールの仕組みを備えている。取引の急増/急減といった市況に追従して処理性能をスケールする。また、コンテナは稼働環境を選ばず、外部のクラウドサービスを利用したBCP(事業継続計画)の運用なども容易になるとしている。

 セキュリティの強化として、コンテナに格納するソフトウェアを最小限にしたうえで、コンテナ脆弱性の自動スキャンを実行する。また、Webアプリケーションの脆弱性対策としてWebアプリケーションファイアウォール(WAF)が加わった。今後、リスクベース認証の導入も予定している。

 サービス刷新・強化の背景としてIIJは、国内個人投資家による為替取引(個人FX取引)の取引高が2022年、2023年共に1京円を超えるなど流動性が高い状態が続いており、今後も取引の活性化と取引高の拡大が見込まれることを挙げる。「こうした状況に対応するため、より高性能で拡張性の高い新システム基盤を開発した」(同社)。

 先行してソニー銀行が為替取引サービスに新システム基盤を採用し、2023年9月に稼働を開始している。IIJは今後、IIJ Raptorのユーザーに対し、新システム基盤への移行を推進していく。

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IIJ / 金融 / PaaS / コンテナ / Kubernetes / 証券 / 銀行 / ソニー銀行

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