[調査・レポート]

ゼロトラスト移行に伴い、IDaaSを筆頭に認証・ID管理市場が急成長─デロイト トーマツ ミック研

2024年4月2日(火)IT Leaders編集部

デロイト トーマツ ミック経済研究所は2024年4月1日、ID管理、IDaaS、SSOなど、個人認証・アクセス管理製品・サービス市場の調査結果を発表した。2022年度の市場規模は前年対比130%の1563億円、2023年度は同124.2%の1941億円だった。分野別のトップはIDaaSで、2023年度は1305億円の売上げだった。ゼロトラストセキュリティへの取り組みで導入が増え、PAM(特権アクセス管理)、IGA(IDガバナンス管理)、CIAM(顧客ID管理)関連の問い合わせが増えているという。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、ID管理、IDaaS(Identity as a Service)、SSO(シングルサインオン)など7分野の個人認証・アクセス管理製品・サービスについて市場規模を調査した。

  1. Web SSOパッケージ
  2. 特権ID管理パッケージ
  3. 統合ID管理・IGA(IDガバナンス管理)パッケージ
  4. デバイス認証パッケージ
  5. 多要素認証・ワンタイムパスワード
  6. IDaaS
  7. RADIUSサーバーアプライアンス

 国内の主要なソフトウェアベンダー、セキュリティ専業ベンダー、総合ITベンダー35社を対象に、2023年12月~2024年3月に調査。各社のセキュリティ製品の2022年度~2024年度の出荷金額と、2028年度までの中期予測を含めて集計している。

図1:個人認証・アクセス管理型セキュリティ製品・サービス市場における規模の推移(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
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 7分野を合わせた市場規模は、2022年度が前年対比130%の1563億円、2023年度が同124.2%の1941億円、2024年度が同121.3%の2355億円を見込む。分野別では、IDaaSが規模と成長率共に好調を維持している。2022年度は991億円で全体に占める比率が63.4%、2023年度は前年対比131.7%の1305億円で同67.2%、2024年度は同126.1%の1646億円で同69.9%である(図1)。

 2023年度の売上金額の分野別トップはIDaaSの1305億円、次いでWebシングルサインオンパッケージの167億円、3位は統合ID管理の114億円だった。これらに、特権ID管理パッケージとRADIUSサーバーアプライアンスが共に110億円で続いた。

 売上げで他を大きく引き離したIDaaSは成長率でも1位で、2023年度は前年対比131.7%、2024年度は同126.1%の伸びを見せている。「ゼロトラストセキュリティの取り組みに伴う導入が増えている。また、PAM(特権アクセス管理)やIGA(IDガバナンス管理)、CIAM(顧客ID管理)関連の問い合わせが増えている。主要IDaaSベンダーにおいて運用の簡素化を狙ってAIの活用が進んでいる」(同社)

 IDaaSに次いで成長率が高かったのは統合ID管理パッケージである。2023年度の市場規模は前年対比121.3%の114億円である。「なかでも職務分掌やロール管理などIDガバナンス機能を備えたIGAパッケージの売上が2023年度に136.2%の64億円と急増している」(同社、図2)。

図2:個人認証・アクセス管理型セキュリティ製品・サービス市場における2022年度~2028年度の成長指数予測(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
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●Next:特権ID管理で好調を維持するセキュリティベンダーは?

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