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ハード/ソフトを事前チューニングして提供する最新SPARC搭載Solarisマシン「SPARC SuperCluster T4-4」

2011年12月2日(金)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

サン・マイクロシステムズを買収したオラクルは目下、ハードとソフトをぎりぎりにチューニングしたアプライアンス機の投入に余念がない。買収発表当初にサンの将来性を危惧する向きもあったが、一連のExaシリーズの投入は、そうした声をひとまず沈静化させることにつながった。 さらに、2011年10月に開催した米オラクルの年次カンファレンスでCEOのラリー・エリソン氏が「日(=サン)はまた昇る」という言葉と共にに紹介したのが「SPARC SuperCluster T4-4(SPARC SuperCluster)」である。国内では、10月31日から提供が始まった。

SPARC版Exaシリーズに近い

写真SPARC SuperCluster T4-4。既存のExaシリーズの「x」とは異なり正面には「S」のマークをあしらう 写真1:SPARC SuperCluster T4-4。既存のExaシリーズの「x」とは異なり正面には「S」のマークをあしらう

オラクルは、ハードとソフトを最適化した製品を「Engineered Systems」と称しているが、SPARC Super Clusterもそのラインナップにある。先行するExadataやExalogicがそれぞれデータベースやアプリケーションサーバーに特化しているのに対し、多目的用途のSolarisサーバーという位置づけだ。

SPARC SuperClusterには、「SPARC T4」(最大3.0GHz、8コア)プロセサを採用したサーバー「SPAERC T4-4」を搭載。1きょう体あたり、最大16個のプロセサと最大容量が4TBとなるメモリーを実装する。OSは「Oracle Solaris 10」のほか、11月に市場投入した新版(ver.11)が対応し、仮想環境の構築には「Oracle VM for SPARC」や「Oracle Solaris Zones」を利用する。

この環境に「Oracle Database」や「Oracle Fusion Middleware」といったソフトや、データ圧縮や重複排除の機能を備える共有ストレージ「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」などを組み込んでいる。Exaシリーズと同様に、各コンポーネントを転送速度が40Gbit/秒となるInfinibandでつないで1つのきょう体に収容。内部的には、すべてを並列化、冗長化して提供する。製品名こそそうなってはいないが、実体としては、(インテルプロセサではなく)SPARC版のExaシリーズとしての印象が強い。組み込まれているデータベースやミドルウェアを動かせば、プロセサは異なっても限りなくExadataやExalogicに近い存在になるはずだ。

Solaris資産を生かす道を示す

代表的な導入パターンは概ね2つある。1つは、これまでSolaris OS上で運用してきた既存システムを集約してリプレースする用途だ。SPARC Super Clusterは、Solaris 10上で旧バージョンのOS環境を再現するレガシー・コンテナ機能を備えており、既存システムに手を加えることなく移行できる。当然、パフォーマンス向上も期待できる。

もう1つは、アプリケーションが動かせるExadataとしての使い道だ。「Exadataには関心があるが、データベース専用マシンとして利用するには敷居が高い。一緒にアプリケーションも動かせるのであれば検討したいという要望は以前からあった」(日本オラクル執行役員野々上仁氏)。こうしたニーズを持つユーザーに対して、SPARC SuperClusterを勧めていく考えだ。

最小構成の価格は、ハーフラックで7870万円から、フルラックで1億3348万円から(いずれも税込)。使用状況に応じたソフトウェアライセンスが別途必要となる。 (緒方)

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Oracle / Sun Microsystems / SPARC / Solaris / Exadata / Exalogic

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