[市場動向]

内定済み学生の希望業種トップは「IT業界」~IT協会調べ

2012年6月22日(金)

企業情報化協会は2012年6月21日、大学生・大学院生を対象に実施したIT業界に対するイメージ調査の結果を報告した。

同協会では、設立30周年記念事業として、『より魅力あるIT業界になるために』と題した全7回に渡る調査研究活動を行っている。第1回となる今回は、大学生1~4年生と大学院生、合計1000名を対象にアンケートを実施。学生から見たIT業界に対するイメージを調査した。

就職時の希望業種

内定を獲得した学生230名に就職活動終盤での希望業種を尋ねた調査では、「IT・情報サービス・ソフトウェア」が全体の18%を占め、25職種中1位を獲得した。以下、「金融・証券・保険」(2位、14.8%)、「官公庁・自治体・公共機関」(3位、13.9%)、「医療・福祉」(4位、12.6%)と続く。

IT系職種への就職を希望した学生数を、内定を獲得した学生数で割った“業界求人指数”は1.46(17.8%が希望、12.2%が内定を獲得)。「旅行・ホテル・レジャー」の12.00(10.4%が希望、0.9%が内定)や、「調査・コンサルティング」の12.00(5.2%が希望、0.4%が内定)と比較して、学生が希望しさえすれば、就職できる可能性は他業種と比較して高いと言えそうだ。

IT業界に対するイメージ

学生1000人にIT業界に対するイメージも尋ねた。「給料が高い」「仕事にやりがいがある」などの11項目について、「そう思う(4点)」「ややそう思う(3点)」「あまりそう思わない(2点)」「そう思わない(1点)」の4段階で評価を求めた。

最もスコアが高かったのは「これからのビジネスを牽引する」で3.15点。全体の86%が「そう思う」「ややそう思う」と肯定的に回答した。以下、「若いうちから責任ある仕事ができる」(2.93点、76.3%が肯定的に評価)、「海外での活躍のチャンスがある」(2.90点、71.5%が肯定的に評価)と続く。

一方、スコアが低かったのは、「ストレスが少ない」で1.64点。全体の88.0%が「そう思わない」「あまりそう思わない」と否定的に回答した。以下、「趣味や自分の時間を確保しやすい」(1.99点、74.5%が否定的に評価)、「一般企業の中でIT担当者は地位が高い」(2.18点、66.0%が否定的に評価)という結果だった。

就職活動の段階が進むほどネガティブなイメージが増幅

同調査では、自由回答で得たIT業界に対するイメージを、内容に応じて「ポジティブ(先進的、成長産業など)」「中立(特にない、知識・スキルが必要など)」「ネガティブ(残業が多い、労働環境が良くない)」「自己の適性とのミスマッチ(仕事が難しそう)」の4グループに分類した。

就職活動のステージ別にグループの比率を見たところ、就職活動前の学生は、ポジティブなコメントが20.1%、ネガティブなコメントが20.1%。一方、内定を獲得した学生では、ポジティブなコメントが16.3%、ネガティブなコメントが42.8%という結果になった。就職活動を進めるに従い、企業の担当者やWebサイト、口コミなど各種情報源に触れ、ネガティブな印象を抱くことがうかがえる。

一方、IT業界への就職希望状況ごとにグループの比率を見たところ、IT業界への就職を希望する学生は、ポジティブ、ネガティブともに30.1%。希望しない学生は、ポジティブが14.6%、ネガティブが25.6%。就職を希望するか定かではない学生は、ポジティブが13.8%、ネガティブが28.5%だった。調査報告書では、ポジティブなイメージの強弱が就職希望の有無に影響しているのではないかとしている。

学生により具体的な仕事のイメージを持ってもらうことが重要

一方、自分の適性とのミスマッチを理由に、就職希望先から外す学生が多いことも分かった。IT業界への就職を希望しない学生の26.4%、希望するか定かでない学生の26.0%が、業務の内容が自分に向いていないという趣旨の回答をしている。

とはいえ、学生がIT業界の仕事内容を十分に理解しているとは言えないようだ。IT業界の仕事を「ITコンサルタント・アナリスト」「システムエンジニア」「プログラマー」「テクニカルサポート・ヘルプデスク」「Webプロデューサー・Webディレクター」の5種類に分類。それぞれの業務内容についての理解と関心の度合いを聞いた。

このうち、「システムエンジニア」や「プログラマー」については概ね認知度が高かったものの、「ITコンサルタント・アナリスト」「テクニカルサポート・ヘルプデスク」などについては、IT業界への就職を希望するかどうかにかかわらず、20%程度の学生が「知らなかったが関心がある」と回答した。

社会におけるITの役割は非常に大きいにも関わらず、表に出る機会が少ないため、学生が仕事の内容をイメージしにくい。IT業界の企業は、ITの役割・効用をもっと広く伝える工夫をすべき。そのためには、IT系企業が複数社にまたがったインターン制度を用意し、ITに対する学生の知識や視野を広げ、業界をあげて囲い込みをしていくといった施策も検討する必要があるとIT協会は結論付けた。

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