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ビッグデータやモバイル志向のプラットフォームを再定義──米国開催 EMC WORLD 2013 現地報告

2013年5月10日(金)折川 忠弘(IT Leaders編集部)

EMCは2013年5月6~9日、米ラスベガスで年次イベント「EMC WORLD 2013」を開催した。今年は昨年を上回る約1万5000人が参加。600を超えるセッションを開いたほか、パートナー向けや女性のみ参加可能なイベントなども同時開催し、会場は多くの人で賑わった。

今年のテーマは「LEAD YOUR TRANSFORMATION」。社会情勢が混迷する中においても企業は積極性を示し、新規事業にチャレンジすべきというメッセージが込められている。そのためにはビッグデータやモバイル、ソーシャルといった新たなトレンドに目を向け、事業を支える次代のプラットフォーム像を描くことが必要である。EMCはこうした主張をイベント内で終始訴求し続けた。

基調講演にはCEOのジョー・トゥッチ氏が登壇。今こそ新たなプラットフォームを模索すべきであると聴衆に訴えた。「管理対象となるデータ量は増加し、企業は社内データのみならずソーシャルの口コミに代表される社外データも管理/活用することが求められるようになった。モバイル端末も増加し、2020年には数百億台もの端末がシステムにアクセスすることになる。旧来のシステムはこうした環境に必ずしも向かない。今後は柔軟性や俊敏性を備えたシステムの重要性が高まるだろう」(トゥッチ氏)。

【写真】ジョー・トゥッチCEOの登壇を前に基調講演会場は熱気に包まれた

トゥッチ氏は次代のシステム構築を支援する役割として、ヴイエムウェアと共同で設立したPivotal社が価値をもたらすことに触れた。「クラウド指向のシステムが勢いを増し、モバイルを業務用途で活用するのが常態となれば、多様なアプリケーションが数多く登場することになる。企業はユーザーのニーズを的確に吸収し、用途に応じたアプリケーションを迅速に展開できなければならない。Pivotalはこうした要件を満たすアプリケーション開発環境を提供することで柔軟性の高いシステムを構築しやすくする」(同氏)。

基調講演ではPivotal社のCEOであるポール・マリッツ氏も登壇。中核製品であるアプリケーション開発環境「Pivotal One」の優位性について触れ、「GreenplumやGemFireといったEMCやヴイエムウェアが提供してきた製品と連携したアプリケーションを開発できる点が特徴だ。Hadoopを使って非構造化データを並列処理するアプリケーションや、複数サーバーの大量メモリーを使って処理を高速化するアプリケーションなどを迅速に用意できる。多様性と迅速性を備えた開発環境こそが次代には必要である」(マリッツ氏)ことを強調した。

異機種混在環境を一元管理可能に

会期中に新製品も発表した。数ある中でも注目を集めたのが「EMC ViPR」である。これは複数のストレージを管理するソフトで、VMAXやVNXなどの自社製品に加え、主要な他社製ストレージを使って仮想ストレージを作成する。

プロビジョニングを自動化する機能を備える。ViPRは用途に応じたサービスカタログを用意。性能や可用性などの要件を満たすカタログを選択すれば、必要な物理ストレージを使って仮想ストレージを作成する。「30以上のステップを要していた設定作業を1ステップで終えられる」(EMC アドバンスド・ソフトウェア・ディビジョン プレジデント アミタブ・スリバスタバ氏)。OpenStackやヴイエムウェアの「vCloud Directer」といったオーケストレーションツールと連携すれば、サーバー、ネットワークのリソースとともに、ストレージをクラウド経由で迅速に調達/提供することも可能だ。

そのほか、ハイエンド機である「VMAX」はOSを刷新し、これまでのSANに加え、NASとして利用できるようにした。レプリケーションソフト「RecoverPoint」の新版は、管理対象となるボリュームを従来の4倍となる8000に増やすなどして機能を拡張した。

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