[金谷敏尊の「ITアナリストの仕事術」]

第09回 「シンクロニシティ」

2013年8月7日(水)

ビジネスの世界でもプライベートの世界でも、2つの事象の偶然の一致、「シンクロニシティ」が起こりうる。一見、何の因果関係もない別個の物理現象が、つながっていて同期する現象である。シンクロニシティを単なる偶然として片付けるのか、プラスの成果を得るために意識的に活用するか、それはあなた次第だ。

私がシンクロニシティを意識し始めたは、昔勤めていたマーケティング会社でのことだ。インターネットがまだ普及しておらず、IT系のイベントではホワイトハウスのホームページが紹介されていたような時代だ。業務とは関係なかったのだが、私はネットの可能性に惹かれ、Web技術を学ぼうと数冊の専門書を買い漁っていた。その矢先に新規取引先から、Webサイト構築の相談を受けた。当時そのような案件を手掛けたことはなく、全く初めての分野である。しかし、思いのほか商談はスムーズに進み、あっさり発注頂いた。後で聞くと、顧客からの質問に即答できたことが、発注の決め手になったそうだ。私が即答できたのは、たまたま前日広げた本の中に、その答えが書いてあったからである。

他にもこんな例がある。あるクライアントから技術分析を依頼された時のことだ。この仕事には技術パートナーが必要であったが、同市場はまだ真新しく、技術力を有するベンダーは僅かで、それがどこであるかも未明であった。また、パートナーからは、機密性の高いデータを提供してもらう必要もあった。そのため引き受けたまでは良かったが、パートナー探しに苦労していた。

近日、私はあるセミナーで講演することとなった。講演が終了した直後、あるベンダーの事業部長が名刺交換を求めて来られた。講演内容が面白かったと伝えられ、話題は彼らの事業展開に及んだ。同部長は、特定の技術分野でのビジネスに注力していること、その技術力は国内随一と自負していることなどを語り始めた。私は驚いたが、聞けば聞くほど、その企業は技術パートナーとして最適な会社であった。部長は、さらに続けた。「協力できることがあれば遠慮なく言って欲しい、必要なデータはいつでも提供できる」と。

私は講演の中で「かくかくしかじかの技術や情報をお持ちの方は、是非とも協力して頂きたい」などと一言も言っていない。講演テーマもその仕事とは無縁のものである。同部長もちょっとした宣伝のつもりで、アナリストに接触したのだろう。しかし、私からすると、全く関係のない状況下であるにも関わらず、必要な時に必要な人と出会うことができた。そのおかげをもって、依頼された仕事も成功させることができた。

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