[技術解説]

S&OPを成功へと導く勘所

2013年10月2日(水)田中 大海

S&OPの効果は理解できるものの、国内ではプロジェクトを積極的に推進したという企業をあまり聞かない。具体策が見えにくいためだ。そこでS&OPに取り組むなら何を意識し、注意すればよいのか。具体的なポイントを解説する。

 製造業を中心に2008年頃、「S&OP」という言葉への関心が高まった。しかし実際にプロジェクトとしてS&OPに取り組んだ企業はそう多くない。S&OPの概念こそ理解できるが、SCM(サプライチェーン・マネジメント)との違いを正しく定義しきれず、自社なりの形で具現化できない企業がほとんどだったためだ。活動を具現化するには、その必要性を認識し、どのように進めるのかといったステップを明確に示す必要がある。経営層や関係各部署が必要性を理解することも欠かせない。

 ここではS&OPに取り組む上で、どんな点に注意すればよいのか。プロジェクトを実行する上での“勘所”を解説する。

市場の変化に追随し、事前から事後対応へ

 日本の製造業や流通業の多くが、2000年頃にSCMの構築を推進した。ここでは、統計学を活用して将来の販売数を予測し、在庫を減らす、機会損失をなくすといった需給調整に主眼が置かれた。過去の販売実績や将来の見込み客などを踏まえることで販売数を導き出し、在庫の削減やリードタイムの短縮といった効果を見込んだ。販売予測の精度を高めるため、複雑な計算を精緻に実施し、自動的に最適解を導き出すことが当時の目的だった。

 しかし現在、グローバル化の進展、海外の競合企業の台頭、消費者ニーズの多様化などの外的要因の変化により、予測精度を高めるのは容易ではなくなった。そのため、将来を見越して需給を調整する“事前対応”よりも、迅速に市場の変化に追随できる“事後対応”を重視する傾向が強まった。販売予測の精度を高めることに注力してきたITは、レスポンスの速さや柔軟性、ユーザビリティの高さなどを求める傾向へとシフトし、事後に人が調整する機能を中心に強化するようになった。

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