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日本人が創業したクラウドデータ統合ベンダーの米Hapyrus、FlyDataに社名変更し日本進出

2014年1月10日(金)河原 潤(IT Leaders編集委員/データセンター完全ガイド編集長)

クラウドデータ統合サービスの開発を手がける米Hapyrus lnc.は2014年1月9日、都内で記者説明会を開催。創業者の藤川幸一氏が、日本市場への進出とFlyData lnc.への社名変更、新たに投入したAmazon Redshiftへのデータ転送サービスについて説明を行った。

“未踏”出身の藤川氏がシリコンバレーで起業

 Hapyrusの前身は、2009年度のIPA未踏ソフトウェア創造事業プロジェクトに採択された藤川氏が2011年、プロジェクト採択金を基にしてシリコンバレーの地に立ち上げたベンチャー企業である。同社は日本人のベンチャーとしては異例の「500 Startups」アクセラレータ企業にも選出されるなど高く評価され、シリコンバレーでも注目の企業となる。

 こうして上々のスタートを切った藤川氏だが、初年度は有力ベンチャーが多数ひしめくシリコンバレーで事業は苦戦、存続の危機に直面する。だが、翌2012年には日米の著名投資家から合計160万ドル(約1億6000万円)の資金調達を得て経営基盤を立て直すことに成功し、Hapyrusとして開発を継続することになった。「たくさんの方々から当社の技術の必要性を認めていただき、支援いただいたことで危機を脱することができた。このとき競争の激しいビッグデータやクラウドの分野で抜きん出るには、優秀な人材が不可欠であることを痛感し、未踏プロジェクト出身者を迎え入れるなどして再始動した」(藤川氏)

米FlyData lnc.(旧社名:Hapyrus lnc.)創業者の藤川幸一氏

Amazon Redshiftの衝撃が生んだ「FlyData」

 2013年6月、Hapyrusは「FlyData for Amazon Redshift」をリリースする。これは、自社のサーバーに格納された、ECサイトなどのログファイルを米Amazon Web Services(AWS)のクラウドデータウェアハウス(DWH)サービス「Amazon Redshift」に自動転送するサービスだ。同サービスはリリース後6カ月でグローバルでの顧客社数40社を超え、1日数十億レコード以上もの膨大なデータ処理を行うまでになっている。

 藤川氏がAmazon Redshiftに特化したサービスを投入した理由はこうだ。「Redshiftの圧倒的な低価格と高いパフォーマンスに大きな衝撃を受けた。このようなサービスはAWS以外はどこも真似できない。ならば、自社のログデータなどをRedshiftに継続的にアップロードし、リアルタイムでビッグデータ分析が行えるような環境づくりに特化しようと考えた」。データを飛ばすというサービスの役割をストレートに言い表したのがFlyDataという名称で、今回、自社のミッションを明確化する意味で、社名自体も変更することとなった。

 東京都港区に設立されたFlyData株式会社は、4~5名体制で日本国内での営業・マーケティング、サポートを担う。いわば逆輸入のかたちで日本に進出した背景には、日本企業におけるクラウドやビッグデータの活用機運の高まりがあり、実際、FlyData for Amazon Redshiftの導入に関してグローバル全体の中でも日本での伸びが著しいという。藤川氏は、「日本は、グローバルで米国に続く第2の市場という位置づけにある。日本国内でも、ゲームやアドテク(広告テクノロジー)など意欲的な業界からの需要増と、それら以外の通信、EC、金融、医療といった業界への広がりが著しい」と説明した。

FlyData for Amazon Redshiftの仕組み

FlyData for Amazon Redshiftの仕組み(出典:米FlyData)

「FlyData Sync」でRDBMS内のマスターデータも分析対象に

 今回発表された「FlyData Sync」は、FlyData for Amazon Redshiftのオプションサービス的な位置づけで提供される。自社内で運用するRDBMSにアドオンのかたちでFlyData Syncにクライアントツールをインストールすることで、RDBMSに蓄積されたデータもRedshiftの分析対象にできるようになる。これにより、例えば、RDBMS内のマスタデータと大容量のログデータの組み合わせ分析などが、Redshiftならではの低コストで可能になるわけだ。すでにベータ版が複数のユーザー企業に提供され、現時点でサポートされるRDBMSは「MySQL」のみだが、順次他のRDBMSにも対応していく予定という。

 「深度の高い分析を行うためにマスターデータの参照は不可欠となるが、それを可能にしてくれるFlyData Syncは、Redshiftのユーザーが最も待ち望んでいた機能だと思う」と藤川氏は語り、日本を含めたグローバル市場での導入実績のさらなる拡大に意欲を見せた。

FlyData lnc.の幹部。左からカントリーマネジャーの晴山敬氏、ファウンダーの藤川幸一氏、グローバルセールス・マーケティング担当バイスプレジデントのダニエル・サイトウ
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