【Special】

多種多様なデータソース統合という難問に
シスコが打ち出す「仮想化」の新機軸

2015年4月7日(火)

データに基づいて最適なアクションを起こすことは、どの企業にも共通の課題だ。しかし、いざ実践しようにも、対象とするデータは社内外に様々な形で散在し、その種類や数が激増の一途をたどっていることもあって、一筋縄にはいかない。その解決策として、シスコが提唱するのが「データ仮想化」のアプローチ。具体的ソリューションとして「データ仮想化プラットフォーム」を提供する。

意思決定をスピードアップするには
大量かつ鮮度の高いデータが不可欠

 テクノロジーの進化によって、今後は世にある様々なものがネットにつながって価値連鎖を形成していくことが予見されている。シスコは今、「Internet of Everything(IoE)」というコンセプトを提唱しており、その構成要素として大きく4つを挙げている。

 第1は物体としての「モノ」。多様なマシンやデバイスがインターネットに接続される世界であり、いわゆるThe Internet of Things(IoT)と呼ばれる。第2は「ヒト」で、テレプレゼンスなどによって人と人とをつなぎ、コラボレーションを活性化させる。第3が「プロセス」。Software Defined(ソフトウェア定義)により、ネットワークやデータセンターの設計・構築・運用を自動化していく。

 そして第4が「データ」である。シスコはビッグデータ時代における効率的なデータ統合を実現すべく、データ仮想化ソリューションの提供に乗り出した。

 背景には、どんな課題を見据えているのだろうか。──今日の企業には、急速に変化するビジネス環境に対応し、意思決定のスピードを上げることが求められている。経営者のみならず、さまざまな現場のビジネスユーザーがその時々の局面において的確な判断を行うためには、大量かつ鮮度の高いデータが欠かせない。しかしながら、従来のデータウェアハウスを中心としたアプローチでは、ソースとなるシステムからデータを収集・コピーするのに時間的なロスが発生しがちで、タイムリーな分析が難しくなるとの問題意識がある。

シスコシステムズ合同会社 シスコサービス サービスイネーブルメントジャパン サービス セールス コンサルタント 久松正和氏

 シスコの久松正和氏(シスコサービス サービスイネーブルメントジャパン、サービスセールスコンサルタント)は、「データウェアハウスに日々コピーしなければならないデータ量は増え、ネットワークにインパクトを与えるまでになっています。ETLツールを使い、夜間バッチで対応できた時代はすでに終わろうとしているのです」と語る。実際、世界最大級の投資・金融グループが運用しているデータソースの規模はPB(ペタバイト)を超える規模となっており、この中から分析に用いるデータを抽出し、日々の変化(差分)を収集することを考えるのは、もはや現実的とは言えなくなった。

多様なデータソースを統合し
シングルソースのように見立てる

 一方で、ビジネスユーザーが把握すべきデータそのものが際限なく増加している。対象となり得るデータソースを挙げてみると、先のデータウェアハウスやデータマートを始めとして、受発注・財務会計などの基幹業務システム、Hadoopなどのビッグデータ分析基盤、Webアクセス解析ログなどの社内システムのほか、ソーシャルメディア、SaaSアプリケーションといった社外サービスがあり、拡大の一途をたどっているのだ。

 さらには、これらのデータソースからビジネスユーザーが個別にデータを収集し、それぞれの業務目的に沿ってExcelなどのスプレッドシ-ト上で集計や加工、分析を行っているのも通例で、“スプレッドマート”とも呼ばれている。「米国では、企業内に存在するデータの50%以上がスプレットシートで運用されているとも見られています」と久松氏。

 スプレッドマート自体は決して否定されるものではないが、ビジネスユーザーが幾つものシステムから都度データを収集して整理するのは、あまりにも非効率的であり、その運用も極めて属人化してしまう。結果、スプレッドマートが新たなサイロになってしまう恐れがある。

 シスコのデータ仮想化ソリューションは、そうした中にデータアクセスの“社内標準”を作り上げることに狙ったものだ。これまでのようにデータをコピーしたり、レプリカを作ったりするのではなく、多様なデータソースに対するダイレクトな接続をサポートすると同時に、あたかもシングルソースであるかのように見せかけるのである。

図1 データ仮想化の概要
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 「具体的には、すべてのデータを抽象化した“仮想テーブル”にデータを提示します。BIなど分析アプリケーションの実行時には、データ仮想化ソリューションがソースとなる各システムに最適なクエリーを発行する仕組みになっており、ビジネスユーザーは社内外の多様なデータに対してオンデマンドでアクセスすることが可能となります。もちろん、ソースとなるDBシステムなどに変更を加えることはありません」と久松氏は説明する。

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