[市場動向]

ユーザー企業の業務/スタッフ部門を対象にするIT活用支援団体が本格始動

2015年8月4日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)

企業のビジネスモデル変革や新規ビジネス/新規サービスの創出支援を掲げた団体が活動を開始した。2015年7月10日に設立された「アドバンスト・ビジネス創造協会(ABC協会)」である。ユーザー企業の業務部門やスタッフ部門を対象に、技術支援やコンサルティング、人材教育などを提供するという。会長には、元アサヒ飲料会長の本山和夫氏、副会長には元日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)副会長の細川泰秀氏が、それぞれ就任した。なぜ今、業務部門やスタッフ部門を対象にしたIT活用支援なのか。

 経済産業省が打ち出した「攻めのIT経営」にもみられるように、ITが事業戦略上の重要な武器であるとの認識は浸透しつつある。同時に、業務システムを構築する際には、より現場の声を採り入れたいというニーズは高まっている。

 こうした現場主導の流れに追随するかのように、活動を開始したのが「アドバンスト・ビジネス創造協会(ABC協会)」だ(図1)。新しい発想や工夫を創造できる人材を育成するための研修や、新規ビジネスや新規サービスの創出支援、ホワイトカラーの生産性向上支援、業務部門/スタッフ部門のための情報交換会などを手がける。さらに、IT投資戦略支援や、IT投資効果の実現支援、ITプロジェクトの支援といったコンサルティングサービスも提供していく。

 会長には、元アサヒ飲料会長の本山和夫氏が就任。副会長は元日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)副会長の細川泰秀氏、専務理事は元住友電工情報システムの岩佐洋司氏、常務理事は元JUAS事務局長の三木徹氏がそれぞれ務める。そのほか理事として、DICプラスチックの小田滋副社長、JFEシステムズの菊川裕幸相談役、JTBビジネスイノベーターズの北上真一代表取締役常務、全日本空輸の幸重孝典取締役執行役員など現役のユーザー企業幹部が名を連ねている。

 ABC協会設立のきっかけは、「ITによるビジネス変革を加速させるためには、これまでのIT部門を対象にした支援策の拡充だけでは手薄である」(細川氏)との考えだ。細川副会長らが牽引してきたJUASなど、既存のユーザー系IT関連団体は、主にIT部門を対象に、IT活用の向上促進を活動の中心に据えてきた。

 しかし、現在のIT活用に求められているのは、「実際にITを活用する業務部門やスタッフ部門のアイデアや考え方をシステム開発に反映させること」(本山氏)だと、ABC協会は考えている。実際、クラウドコンピューティングの台頭で、IT活用の主要プレーヤーは、従来の情報システム部門ではなく、業務部門や、総務/人事/経営企画などのスタッフ部門であるとの声も出始めている。

 そこで、JUASがカバーしきれていない業務部門やスタッフ部門に向けて設立されたのが、ABC協会だ(図)。また、細川氏によると、補完関係に当たるJUASのほか、経済産業省や情報処理推進機構(IPA)といった機関との連携も取っていくとしている。

図:ABC協会の活動対象と位置付け
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 ABC協会は今後、「ビジネスコンサルティングセンター」と「システムエンジニアリングセンター」「人材教育センター」を常設し、業務部門/スタッフ部門に向けた活動を本格化する。当面は、3カ月に1回程度、セミナーを開催するほか、業務部門/スタッフ部門による要件定義を可能にするための「実務経験に基づくガイドブック」を、2015年秋口をめどに刊行する予定である。
 

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