[市場動向]

交通分野のオープンデータ実用化に向け協議会設立

2015年9月28日(月)杉田 悟(IT Leaders編集部)

自治体や企業に眠る公共的なデータであるオープンデータは、国を挙げて活用推進に取り組んでいるが、実験段階のものが多くなかなか具体的な成果には結び付いていないのが現状だ。そんな中、東京地域の主だった公共交通事業者やITベンダーなど30企業・団体が2015年9月25日、産官学共同の協議会「公共交通オープンデータ協議会」を設立した。鉄道、バス、飛行機などの各交通機関が持つデータをオープン化、相互活用し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた新サービスの創出に取り組む。

 公共交通オープンデータ協議会は、鉄道会社、空港、航空会社といった東京地方の交通事業者や民間のITベンダーなど30団体・企業によって設立された。2013年8月に交通事業者13社などにより設立された「公共交通オープンデータ研究会」が起源で、会長には同研究会でも会長を務めた東京大学の坂村健教授(YRPユビキタス・ネットワーキング研究所・所長)が就任した。

公共交通オープンデータ協議会参加企業・団体
拡大画像表示

 研究会は当初交通事業者プラス学術機関という陣容だったが、後にICT会員を募集し複数のITベンダーが加わっていた。協議会には、研究会の参加企業に複数の民間企業が新たに加わっている。また、オブザーバーとして総務省、国土交通省、東京都が名を連ねている。研究段階から実用段階へステップアップするという主旨で、研究会から協議会へと名称変更した。

 オープンデータは、参照のみが可能なPDFやJPGからWeb標準のRDF、XMLといったフォーマットを使い、電子データとして2次利用できる形で公開されている公共性の高いデータのことだ。オープンガバメント(開かれた政府)の観点から、オープンデータ戦略は世界的な潮流となっている。日本でも2012年からIT総合戦略本部の「電子行政オープンデータ戦略」としてスタート、総務省や経済産業省などが活用推進に取り組み、数々の実証実験を行ってきた。そのうち、総務省が2012年度の実証実験として行った「平成24年度オープンデータ実証実験 公共交通関連情報」が、公共交通オープンデータ研究会、協議会へとつながっている。

 公共交通オープンデータ協議会が目標として掲げているのは、研究会での研究開発を発展させた「先進的な次世代公共交通情報サービスの構築」「その標準プラットフォームの研究開発」「公共交通政策提言」の3点。オープンデータとして公開されるのは、各交通事業者が持つ鉄道、バス、飛行機の運行に関する情報や駅・停留所・空港といった交通ターミナルの施設情報。これを企業間でオープンに相互活用することで、これまでにない新サービスを創出する。

 具体的には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、事故による遅延発生など現実の運行状況に即したリアルタイム型の運行情報サービスや外国人向けの様々な言語での情報提供サービス、身体障がい者や高齢者に必要な情報提供サービスを実用化するとしている。
 

関連キーワード

オープンデータ

関連記事

交通分野のオープンデータ実用化に向け協議会設立自治体や企業に眠る公共的なデータであるオープンデータは、国を挙げて活用推進に取り組んでいるが、実験段階のものが多くなかなか具体的な成果には結び付いていないのが現状だ。そんな中、東京地域の主だった公共交通事業者やITベンダーなど30企業・団体が2015年9月25日、産官学共同の協議会「公共交通オープンデータ協議会」を設立した。鉄道、バス、飛行機などの各交通機関が持つデータをオープン化、相互活用し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた新サービスの創出に取り組む。

PAGE TOP