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AIと音声認識の融合が"常連さんとの会話"を可能にする―アドバンスト・メディアの新ソリューション

2015年10月19日(月)杉田 悟(IT Leaders編集部)

AI(人工知能)は、IT周辺で今もっともホットな話題のひとつだ。IBMのワトソンを筆頭に、AppleやGoogle、富士通やNECもAIの開発に取り組むなど、主力ITベンダーがこぞってAIに注力している。音声認識エンジンを武器に成長を続けているアドバンスト・メディアは、AIと音声認識技術を活用した次世代型音声対話システムを開発した。

 1990年前後、「ファジー家電」が家電マーケットを席巻したことを覚えているだろうか。人工知能理論のひとつである「ファジー理論」をエアコンなどの家電に活用した製品だ。「ファジー」は、人間らしい「あいまいさ」をコンピューター制御に応用したものだが、これを家電製品と組みわせることで、新たなユーザー体験を提供することに成功している。

 例えばエアコンであれば単に涼しい、温かいの強弱ではなく、「なんとなく涼しい」「ほんのりと温かい」といったあいまいで人間的な温度設定を設けることができた。このあいまいさが受け、ファジー家電はブームとなった。ブームは一瞬で終わってしまったが、人工知能がビジネスに実利をもたらした好例といえるだろう。

 クラウドコンピューティングが普及し、新たにIoT(Internet of Things)に注目が集まっている現在、AIとの融合先として有力なのがサービスだ。例えば、カラフル・ボードが提供する、1人に1台のファッションスタイリストアプリ「SENSY」や、クーロンが提供する、Webサイトの「荒れないコメント欄」を実現するシステム「QuACS」など、サービスにAI技術を活用して新機軸を打ち出すベンチャーが続々と登場している。

 音声認識技術をベースにしたサービスを軸に成長を遂げてきたアドバンスト・メディアも、自社サービスに独自開発のAI技術を組み合わせることで、新たなユーザー体験の提供を目指している企業の1社といえる。

 アドバンスト・メディアが2015年10月から提供を開始した「AmiAgent(アミエージェント)」は、次世代型の音声対話システムだ。同社の主力製品である音声認識エンジン「AmiVoice」と、新たに開発した対話エンジン「AOI」を組み合わせたシステムで、このAOIにAI技術が用いられている。AI技術を取り入れたことにより、蓄積されたユーザーの知識を会話に反映できるようになった。これが、このサービスのポイントといえる。

 主に、コンタクトセンターなど企業の窓口業務での活用を想定している。携帯電話やスマートフォンアプリ、PCなどで通話してきたユーザーの会話をAmiVoiceがテキスト化する。その内容からAOIが適切な言葉を選択、音声合成エンジンを介してあらかじめ設定したキャラクターの姿を借りて自然な会話を行う。またAOIは、対話ログを蓄積して分析することでユーザーの好みを学習していくことができる。2度、3度と回数を重ねていくことで、やがて店舗の常連客のような対応をしてくれそうだ。キャラクターに親近感がわけば、顧客の囲い込みにも大いに役立つ。

 会話の内容から苦情や相談であることを判断し、適切なオペレーターに転送するのもAOIの役割だ。キャラクターによる対話以外にも電話では音声認識システム(IVR)、PC向けにはWebブラウザでのテキストチャットなど、利用用途、デバイスに合わせた対話サービスを提供できるとしている。

 今後は、例えばAmiAgentから音声認識、AI、音声合成の各エンジン機能を「AIソリューション」として、ロボットや家電メーカーに提供していくことも検討しているという。メーカーは、高齢者向けの「見守りロボット」、あるいは「ファジー家電」ならぬ「おはなし家電」を容易に開発できるようになる。

 

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