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次世代システムのグランドデザインを描く、その参考としての「SAP HANA Cloud Platform」

2016年6月16日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

ビジネスや事業のデジタル化に向けて、企業情報システムが対応を迫られている。換言すれば、CIOや情報システム部門は次世代システムのグランドデザインを描くことが求められている。ではどうすべきか?そのヒントになるのが、大手ITベンダーが提示するソリューション像だ。その1つとして、独SAPの「SAP HANA Cloud Platform」を紹介する。

 ユーザー企業にとって、大手ITベンダーが描く次世代ソリューション像は、参考するに値する資料になり得る。もちろん、そのベンダーの我田引水的な面は割り引く必要があるにしても、次世代の企業システムのためのヒントが盛り込まれている。(1)どんなグランドデザインであるべきか、(2)どんな構成要素から成り立つか、(3)システムアーキテクチャーはどうなっているか、といったことである。

 典型例が「Systems of Record(SoR)」「Systems of Engagement(SoE)」という考え方だろう。もう説明不要かも知れないが、一口に企業情報システムといっても「既存の業務やコミュニケーションの効率化や合理化を主眼としたSoRと、モバイルやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、ビッグデータなどの技術を駆使して従来なかったシステムやサービスを具現化するSoEがある」というものだ。米IBMや富士通などが折に触れてアピールし、今ではかなり一般的になっている。

 そんな中、ミッションクリティカルなERP(Enterprise Resource Planning)の最大手である独SAPが新たなシステム像を提示し、さらに具体的なソリューション(サービス)として提供しつつある。読者がSAPユーザーであるかどうかに関わらず、それを知っておくことは自社の次世代システムの姿を考え、描くうえで参考になることは間違いない。そこで、どんなものかを解説しよう。

 全体像を示したのが図1である。中央に位置するのはSAPの主力製品であるERPの「S/4 HANA」ではなく、「HANA Cloud Platform」である。反対側には「Business Objects」をはじめとする分析(アナリティックス)のためのソリューション群、基盤的な位置づけの「HANA Platform」、そして上部には「IoT Platform」がある。

図1:SAP HANA Cloud Platform Archtecture図1:SAP HANA Cloud Platform Archtecture
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 さらに図1の上部にはSAPが買収してきたSaaS(Software as a Service)群、すなわち企業間取引のAribaや、経費管理/精算のConcur、タレントマネジメントのSuccessFactorsなどが、HANA Platformの下側にはSAP以外の既存データソース(左側)とビッグデータのデータソースが、それぞれ見える。これをSAPが提供するソリューション群を配置しただけとみることもできる。だが「SAP」や「HANA」といった言葉を取り去り、代わりに業務アプリケーションやDBMSといった言葉を入れれば、これからの企業情報システムの大まかな絵になり得るだろう。

 つまり、予算的にも人員的にも企業情報システムの多くを占める基幹システム(=S/4 HANA)は、次世代システムの全体からすると一部であり、必要不可欠だとしても企業情報システムの中核という存在ではなくなる。同時にデータベース(=HANA Platform)は、基幹システムから論理的に分離され、SoRとSoEを通貫した共通基盤に位置づけられる。その中核がHANA Cloud Platformという図式である。図1をSAPのソリューションを軸に、もう一段、詳しくしたのが図2だ。

図2:SAP HANAの次世代アーキテクチャー図2:SAP HANAの次世代アーキテクチャー
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