[松岡功が選ぶ“見逃せない”ニュース]

2016年12月の3本:2017年国内IT市場の10大トレンドをIDC Japanが予測/KDDIがビッグローブを買収/ランサムウェアに身代金を払う企業は7割−IBM調査

2017年1月5日(木)松岡 功(ジャーナリスト)

2016年12月のニュースから松岡功が選んだのは、「2017年国内IT市場の10大トレンドをIDC Japanが予測」「KDDIがビッグローブを買収」「ランサムウェアに身代金を払う企業は7割−IBM調査」の3本である。

2017年国内IT市場の10大トレンドをIDC Japanが予測

 2017年の国内IT市場における10大トレンド予測をIDC Japanが2016年12月13日発表した(発表資料)。骨子は以下の通り(関連記事)。

(1)産業間のエコシステム連携によって、第3のプラットフォーム上に「デジタルトランスフォーメーション(DX)エコノミー」が萌芽する
(2)第3のプラットフォームへのICT支出が第2のプラットフォーム支出に並ぶ
(3)ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の被害拡大が、脅威インテリジェンスとコグニティブ(認知)システム/AI(人工知能)を活用したセキュリティ製品の開発を加速する
(4)DXを実現するハイブリッドクラウドとAPIエコノミーの拡大が加速する
(5)IoT(Internet of Things)事業者の競争軸は「IoTプラットフォーム」から「データアグリゲーションプラットフォーム」にシフトする
(6)DXの普及が、エンタープライズインフラストラクチャーの選定基準とITサプライヤーの競合関係に変化をもたらす
(7)コグニティブシステム/AIの事例がプロフェッショナルサービス、セキュリティ/リスク管理分野で多数登場する
(8)産業特化型クラウドがDXエコノミーのコア技術として成長を始める
(9)AR(拡張現実)/VR(仮想現実)、ロボティクス、3Dプリンティングなどのイノベーションアクセラレーター(IA)技術が製造業の変革とグローバル競争力の強化に貢献する
(10)DXが企業の全社的課題として認識され、IT人材とDX推進組織の再定義が進む

[選択理由]

 2017年の国内IT市場動向を包括的に予測したアナリストレポートとして、企業のIT関係者はぜひ目を通しておく必要があると考えるからだ。

 最も重要なキーワードになるのが「デジタルトランスフォーメーション(DX)」。IDCではDXを「モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、クラウド、そしてソーシャル技術などの第3のプラットフォームによって、顧客が体験することや企業が新たな生産性のレベルを達成するビジネス機会を生み出すこと」と定義している。

 どの項目も重要だが、筆者が企業のIT関係者にとりわけ注目してもらいたいのは6番目と10番目だ。6番目の「エンタープライズインフラストラクチャーの選定基準」とは何か。10番目の「IT人材とDX推進組織の再定義」とは何か。ぜひ発表資料を確認していただきたい。

KDDIがビッグローブを買収

 KDDIがISP(Internet Service Provider)大手のビッグローブを買収すると2016年12月8日に発表した。買収金額は約800億円。2017年1月末をめどに日本産業パートナーズ(JIP)が持つビッグローブ株を全株取得し、完全子会社化する(図1)。ビッグローブを買収する狙いについてKDDIは「通信領域だけでなく、決済や物販事業など非通信領域においても、両社のシナジーによる事業拡大を図る」としている。

図1:「株主の変更に関するお知らせ」を掲載したビッグローブのサイト図1:「株主の変更に関するお知らせ」を掲載したビッグローブのサイト
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