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ニアゼロダウンタイムでSAP ERPのクラウド移行を実現―NTTデータGSL

2017年1月19日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

クラウドコンピューティングは、すでに多くの企業がシステムの一部に取り入れているがこれまでは、CRMやグループウェアなどフロントエンドが主な対象となっていた。今後はERPなどのバックエンドシステムをクラウド化する動きが活発化すると見られている。ただし、容量の大きいERPなどをクラウド移行するのは容易ではない。特にミッションクリティカルなシステムの場合、移行に伴い発生するダウンタイムが大きなネックとなる。NTTデータグローバルソリューションズ(NTTデータGSL)は、SAP ERPのクラウド移行で「ニアゼロダウンタイム」を実現するという。その方法とは。

 一般に、SAP ERPを移行する際にはシステムコピーという手段を用いる。バージョンアップに合わせての移行がほとんどと思われるので、移行先にSAPの新しいバージョンを入れ、既存システムからデータのみを移動させる方式だ。システムコピーやアップグレードに関しては、SAPから正式のガイドラインが出ているので、コンサルタントがこれに合わせて実行する。

 ただしこれは、オンプレミスからオンプレミスへの移行において適用されるもので、パブリッククラウドへの移行となると、そう簡単にはいかない。NTTデータGSLマーケティング事業部ソリューション統括部マネージャーの小倉康徳氏によると、クラウド化を決めた時点で「ロケーションとプラットフォームが同時に変わること」が確定するという。

 まずは、ロケーション。パブリッククラウドを使う場合、今とは違う場所にシステムを置くことになるので、「新しいデータセンターを契約すると同義になる」。同じ場所でローカルにコピーするのとは異なり、遠隔地へのシステム移行が行われることになる。

 そうなると、ユーザーがそのロケーションに対してどのような通信環境を用意するかによって移行の条件が変わってくる。ERPの場合、数テラ規模の移行もざらなので、これをコピーするとなると、そのトラフィックは膨大となる。通信環境でダウンタイムをできる限り短くするためには、高速で高価な回線を契約するか、細い回線を複数本契約するかしかない。

クラウド移行の多くが「力技」で実行

 移行だけのために高価な回線を契約するのは、あまり現実的とはいえないので、細い回線を複数本契約する方法が選ばれることが多いという。単純に、10本回線を契約すれば移行期間は10分の1で済むという計算だ。移行が終わったら9本は解約することになる。技術屋らしからぬ「力技の世界」(小倉氏)だ。

 次にプラットフォーム。現在多くの企業がSAP ERPを仮想環境で利用している。仮想環境にVMWareを使っている場合、ここでのプラットフォームはVMWareとなる。オンプレミスでVMWareからVMWafreに移行するには、テクニカルな手法が確立されており、ツール、ソリューションも多くのベンダーから提供されている。

 一方、VMWareをAWSに移行するとなると正式なソリューションはない。地道にコピーするという「力技」に頼るか、異なるプラットフォーム間での移行についての成功確率が未知数の「エクスポート/インポート」という技術を使うしかない。高速ファイル転送ツールを使うという手もあるが、せいぜい「普通のコピーよりは早い」程度で、ダウンタイムの大幅縮小まではいかない。

 ここで、NTTデータGSLについて説明しておく。同社は、NTTデータのグローバルでのSAP事業強化のため、NTTデータ本体およびほとんどの関連会社のSAP人材を集約して、2012年に設立された100%子会社だ。世界40カ国・地域以上、8万人におよぶNTTデータのグローバルネットワークを活用して、日本企業の海外子会社に対してサービス提供できるのが強みとなっている。

 SAP関連ビジネスを中心に事業展開するNTTデータGSLで近年増えてきたのが、SAPのクラウド移行案件だという。前述の通り、クラウド移行の技術的な選択肢は限られており、以前は「力技」で対応せざるをえなかった。クラウド移行において、ダウンタイムの短縮が喫緊の課題となっていた。

ダウンタイムの短縮はSI会社にもメリット

 ダウンタイムの短縮、実はSI会社にとっても早急に解決すべき課題となっていた。SI会社の立場から見ても、長いダウンタイムが発生するということは、移行プロジェクトを走らせる期間が限定されることにつながる。

 例えばコピーに1週間以上かかるような移行案件の場合、ダウンタイムの期間を考えると業務に支障を来さないようにするには、年末年始やゴールデンウィーク、お盆期間などの長期連休に実施するしかなくなる。プロジェクトが集中することで、安全な移行を提案するための人材のアサインが担保できなくなれば、ユーザーにとっても痛手だ。

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