[新製品・サービス]

コニカミノルタがIoT市場に本格参入、エッジコンピューティングでデータ駆動型経営を支援

2017年3月24日(金)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

コニカミノルタがIoT市場に本格参入する。オフィスや工場など人が働く場所に設置するエッジコンピューティング製品を投入。同製品から企業内のIT機器を一元管理するほか、そこで集めたデータを収集・分析することで、個々の企業が持つ課題解決を図る。加えて、同製品経由でクラウドに集めたデータの分析結果から、さらなる改革につながるような新サービスも開発し提供していく。独ベルリンで2017年3月23日(現地時間)に開いた自社イベントで説明した。

 「IoTが広く浸透した時代を考えてほしい。収集したデータを分析し、その結果を利用するまでの間隔は『よりリアルタイムに、より高速に、より瞬時に』になっていく。そこではエッジコンピューティングが鍵を握るようになる」−−。2017年秋に投入予定の新製品について、コニカミノルタの山名 昌衛 代表執行役社長は、こう説明し、今後の展開に強い決意を見せた。

 コニカミノルタが「IoT時代に新ビジネスの中核製品」(山名社長)に位置付ける新製品は「Workplace Hub」と呼ぶサーバーの一種。新製品のコンセプトは3月21日、独ハノーバーで開かれた国際見本市「CeBIT」の基調講演に登壇した山名社長が紹介し展示もした(関連記事)。その2日後の23日に独ベルリンで自社イベント「Spotlight」を開催し、Workplace Hub事業をグローバルに展開することや、その概要、主な機能、将来構想などを説明した(写真1)。

写真1:新製品「Workplace Hub」を発表するコニカミノルタの山名 昌衛 代表執行役社長写真1:新製品「Workplace Hub」を発表するコニカミノルタの山名 昌衛 代表執行役社長

 冒頭のコメントは、イベント後に日本の報道陣などとの会見で発したもの。山名社長はさらに、「米Googleなど既に大量のデータを保有している企業と同じ土俵で戦っても勝機はない。日本の製造業として、エッジコンピューティングを推進することは、ものづくりの強みを生かしながらも、サービスありきのIoT市場での存在価値を高められる」とも強調する。

200万台が稼働するMFPはワークフローにつながっている

 Workplace Hubは端的に言えば、複合機(MFP)にサーバーを搭載したもの(写真2)。サーバー部分だけを切り出した「Workplace Edge」も用意する(写真3)。Workplace Edgeは、ITベンダーなどが製品化を進めるエッジコンピューティング用サーバーに相当する。ここには各種IoTデバイスを接続するためのIoTゲートウェイ機能も持たせ、種々のデータがWorkplace Hubに集まるようにする。Workplace Hubは企業のオンプレミス環境に設置し、コニカミノルタなどが用意するクラウドと連携しながら動作する。同社は、Workplace Hub/同Edgeを「IoTのためのプラットフォーム」に位置付ける。

写真2:Workplace Hub(プロトタイプ)と山名 昌衛 代表執行役社長写真2:Workplace Hub(プロトタイプ)と山名 昌衛 代表執行役社長
写真3:Workplace Hubからサーバー部分だけを切り出したWorkplace Edge(プロトタイプ)。ラック型とスレート型がある。右はスレート型Workplace Edgeの背面。タッチパネルで操作ができる写真3:Workplace Hubからサーバー部分だけを切り出したWorkplace Edge(プロトタイプ)。ラック型とスレート型がある。右はスレート型Workplace Edgeの背面。タッチパネルで操作ができる
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 こう書くと、「複合機ビジネスの延長に過ぎないのでは」と思うかもしれない。山名社長によれば、コニカミノルタの複合機は全世界で200万台が稼働。各種文書の出力という観点では「各社の業務のワークフローにつながってきた」のが、これまでの複合機ビジネスだ。これに対しWorkplace Hubでは、「企業内におけるあらゆるITサービスを統合していくことで、データを元に人と人をつなげ、デジタルネイティブな若い世代を含めての働き方など、企業それぞれが抱える課題の解決策を提供する」(同)ことを狙う。

 例えば、メールの使用ログなどを分析したり、そこに機械学習やAI(人工知能)を組み合わせたりすることで「重要なメールを優先して表示したり、必要な文書の共有をうながすなど、現場の働き方が最適になるような仕組みを実現していく」(山名社長)。この分析や機械学習はWorkplace Hub上、すなわちエッジコンピューティングで実現する。

 そこでは、光学システム事業で持つ画像分析技術なども組み合わせ、カメラで撮影した画像から人の動きなどを抽出することなども考えられる。だからこそWorkplace HubにはIoTゲートウェイの機能も必要になるわけだ。さらに、顧客の許可を得た上で、使用状況などをコニカミノルタがクラウド上で、さらに分析することで、より最適な働き方を提案したり、そのために必要になる新たなサービスを開発したりもすることも視野に入れる。

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