[市場動向]

セキュリティやデータサイエンス領域の人材をスキル標準からの「学び直し」で育成へ

IPAが「ITSS+」を公開

2017年4月10日(月)杉田 悟(IT Leaders編集部)

情報セキィリティに対する企業の関心が高まるなか、喫緊の課題といえるのが情報セキュリティ人材の不足だ。2017年からは新たな国家資格として情報処理安全確保支援士の登録が開始したものの、必要とするすべての企業に行き渡るのはきわめて困難だ。そこで情報処理推進機構(IPA)は、情報セキュリティと、同じく人材不足が叫ばれているデータサイエンスの領域について、既存のIT人材を「学び直す」ために必要なスキルを体系化、2017年4月7日に公開した。

 IPAが、今後特に人材の枯渇が予想されるセキュリティ人材、データサイエンティストに必要なスキルを体系化したのが、「ITSS+(プラス)」だ。従来のITスキル標準(ITSS)が対象としているITベンダーやユーザー企業のIT担当者が、セキュリティやデータサイエンス領域のスキル強化を図るために、どのようなスキルを「学び直す」べきかをまとめている。

 セキュリティ領域は、経営課題への対応から設計・開発、運用・保守、セキュリティ監査の13の専門分野を具体化した(図1)もの。情報セキュリティの上級資格者である情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)とも連動(図2)しており、同資格の保有者は、実務の場で具体的に自らの専門分野を明示することができるようになるとしている。

(図1)セキュリティ領域のイメージ(出所:IPAプレス発表資料)
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(図2)情報処理安全確保支援士との関係(出所:IPAプレス発表資料)
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(図3)データサイエンス領域のイメージ(出所:IPAプレス発表資料)
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 データサイエンス業域は、従来のITSSには含まれない、新規の領域となっている。デジタルビジネスにおけるビッグデータやAI(人工知能)などで必要とされるデータサイエンティストのスキルカテゴリーを「ビジネス」「データサイエンス」「データエンジニアリング」の3つに細分化(図3)、データサイエンティスト協会の協力で策定した。

 スキル領域やスキルカテゴリーについては、ITSSのキャリア・フレームワークの様式を活用している。タスクやスキルについては、セキュリティ領域はiコンピテンシディクショナリのタスクディクショナリ、スキルディクショナリの様式に準拠、データサイエンス領域はデータサイエンティスト協会の「スキルチェックリスト」を活用している。

 今回のITSS+は、デジタルビジネスの盛隆を控え、当然枯渇するであろう情報セキュリティ領域、データサイエンス領域の人材について、一から育てるのではなく、既存の人材をこれらの領域にあてがうための道筋を示したものだ。すでに何らかのITスキルを持っている人材が、プラスどのようなスキルを身に付ければ、セキュリティやデータサイエンス領域の人材になるのかがわかるようになっている。

 「+(プラス)」としたのは、あくまでも既存のITスキル標準との統合を目指したものではないことを表している。事実、データサイエンス領域における「スキル」は、データサイエンティスト協会のスキルチェックリストに依存しており、純然たるITスキル標準ではない。

 IPAでは今後も、政府のデジタルビジネス指針である「第4次産業革命」推進のため、セキュリティ、データサイエンス以外の領域についても、スキル標準(あるいは+)の策定を行っていく予定だ。

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