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2020年Q3の国内サーバー売上額は前年同期比で22.2%減少、富士通がシェア首位を維持─IDC

2020年12月28日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

IDC Japanは2020年12月25日、2020年第3四半期(7月~9月)の国内サーバー市場動向を発表した。市場全体の売上額は1068億円で、前年同期から22.2%減少した。出荷台数は10万9000台で、前年同期から20.4%減少した。

 IDC Japanによると、2020年第3四半期の国内サーバー市場は、売上額が前年同期比で2桁のマイナス成長となった。製品分野別では、x86サーバー、メインフレームが共に前年同期比で2桁のマイナス成長となり、国内サーバー市場全体の大幅なマイナス成長の要因となった。その他のサーバーはプラス成長となったが、国内サーバー市場のマイナス幅を補うには至らなかった。

 製品提供企業別の売上額では、富士通が首位を維持した(図1)。次いで、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル・テクノロジーズ(Dell Technologies)、日立製作所の順だった。日立は、前四半期の6位から順位を上げて5位となった。

図1:2020年第3四半期の国内サーバー市場(売上額)の会社別シェア(出典:IDC Japan)図1:2020年第3四半期の国内サーバー市場(売上額)の会社別シェア(出典:IDC Japan)

 カンパニー別の出荷台数も、富士通が首位を維持した。次いで、前四半期の3位から順位を上げたHPE、次いで、NEC、Dell Technologies、日立製作所の順だった。日立製作所は、前四半期の7位から順位を上げて5位となった。

x86はWindows Server 2008更新需要の反動でマイナス成長

 x86サーバーは、売上額が前年同期比19.5%減の893億円だった。出荷台数は、前年同期比21.1%減の10万7500台だった。x86サーバーのうち、Standard Serverは売上額が前年同期比19.7%減の750億円、出荷台数が同23.6%減の8万7600台だった。Custom Serverは、売上額が前年同期比18.2%減の143億円、出荷台数が同7.5%減の1万9900台だった。

 Standard Serverは、通信、文教、ITサービス向けの大口案件などがあったが、前年同期にあったWindows Server 2008のサポート終了にともなうサーバー更新需要の反動や、COVID-19流行によるネガティブな影響などで、売上額、出荷台数共に2桁のマイナス成長となった。

 Custom Serverは、前年同期にあったITサービス向けの大口案件の反動や、ODM Directを中心としたクラウドサービスベンダー向けの売上額減少などで、売上額は2桁のマイナス成長となった。ODM Directの売上額が前年同期比で2桁のマイナス成長となった主な要因は、ODM Directサーバーの平均単価が前年同期と比較して低下したことにある。Custom ServerではCOVID-19流行によるネガティブな影響は特に見られなかった。

メインフレームは前年同期の大型案件の反動でマイナス成長

 メインフレームは、売上額が前年同期比50.7%減の96億円だった。金融、官公庁向けの大型案件などがあったが、前年同期にあった、公益、製造、運輸、金融向けの大型案件などの反動で、今期は大幅なマイナス成長となった。その他のサーバーは、売上額が前年同期比13.7%増の79億円だった。ITサービス、官公庁、製造向けの大型案件などが貢献し、2桁のプラス成長となった。

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