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[調査・レポート]

国内ITインフラ市場はIaaSの利用が拡大、2027年には売上全体の36.8%に─IDC

ハードウェアへの投資が緩やかに減少

2023年8月14日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

IDC Japanは2023年8月10日、国内におけるITインフラ市場の予測を発表した。2022年~2027年における支出額の年間平均成長率(CAGR)を8.4%、2027年の売上額を7兆6643億円と予測している。IaaSの需要の高まりから、2027年には全体の売上額の36.8%に達する見通しという。

 IDC Japanは、国内におけるITインフラ市場の予測を発表した。2022年~2027年における支出額の年間平均成長率(CAGR)を8.4%、2027年の売上額を7兆6643億円と予測している(図1)。

図1:国内ITインフラ市場における売上額の予測(2022年~2027年)(出典:IDC Japan)
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 IDCは国内ITインフラ市場の構成要素を次のように定義している。

  • 国内エンタープライズ(企業情報システム)インフラ(サーバーおよびエンタープライズストレージシステム)市場
  • 国内データセンター向けEthernetスイッチ市場
  • 国内システムインフラストラクチャソフトウェア(SIS)市場
  • 国内ITインフラストラクチャサービス市場
  • 国内パブリッククラウド接続用途WANサービス市場
  • 国内パブリッククラウドサービス(IaaS)市場

 IDCは、「クラウドへの移行が進み、デジタルビジネスへの取り組みが拡大することにより、パブリッククラウドサービス(IaaS)の利用が広がっている」と指摘。2027年時点での国内ITインフラ市場全体に占めるIaaSの売上額は36.8%と、最も高いセグメントになると予測している。

 サービスプロバイダー向けのコロケーションや、企業情報システム向けのクラウド導入コンサルティング/構築の需要が拡大するという。ITインフラがハイブリッド化することによって運用が複雑化することから、情報システムの運用サービス(マネージドサービス)の需要も高まると同社は見ている。

 システムインフラストラクチャソフトウェア (SIS)では、セキュリティソフトウェアに加えて、パブリッククラウド環境を対象とした運用管理ソフトウェアの需要が拡大しており、FinOpsやAIOpsなどの新しい機能に対する注目も高まっているという。「SISでは、初期費用の抑制、継続的な機能強化/アップデートの提供、ライセンスの可搬性などのメリットを背景に、従来方式であるライセンス販売モデルから、SaaSやサブスクリプションなどのリカーリングモデルへと急速に変化している」と分析している。

 情報システムのインフラ(サーバー、ストレージ)やデータセンター向けEthernetスイッチといったハードウェアへの投資が緩やかに減ると見ている。代わりに、ハイパースケーラー、クラウドサービスプロバイダー、デジタルサービスプロバイダー、通信事業者、マネージドサービスプロバイダーなど各サービスプロバイダーによる投資が増えると同社は予測する。

 今回の発表の詳細を、IDCのレポート「国内ITインフラ市場予測、2023年~2027年」で報告している。同レポートは、国内におけるITインフラ関連のハードウェア/ソフトウェア/サービスの各市場を横断して市場予測を行っている。また、システムインフラソフトおよびITインフラサービスにおけるリカーリング/ノンリカーリング別の市場予測や、ハードウェアにおけるバイヤータイプ別の市場予測も掲載している。

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