アプリケーション アプリケーション記事一覧へ

[新製品・サービス]

WebLogicをAPサーバーの中核に サポートは顧客優先の姿勢を強調

2008年10月22日(水)

オラクル、BEA統合後のミドルウェア戦略を発表 Oracle WebLogic Suiteなど / 日本オラクル 2008年1月、85億ドルを投じて米オラクルが実施した、アプリケーションサーバー大手の米BEAシステムズの買収。8カ月が経過した今、機能的に重複する点が少なくない両社製品の統合・整理の方向性が見えてきた。一言で言えば、競争力のあるBEA製品を残しつつ、それ以外はオラクル製品側に寄せるというものである。製品名称はすべてOracle〜になる。既存ユーザーからの不満が出ないよう、統合は時間をかけて進める方針だ。

注目すべきポイントは?

アプリケーションサーバー、SOA関連製品、そして開発ツール…。オラクルのミドルウェア製品とBEAシステムズのそれには、データベース管理システムを別にして重複が少なくない。

買収が発表された当時、「9000億円もの巨費を投じる割に、オラクルが得るものは少ない。つまり他社に買収されてしまうなら、自分が買った方がいいという、オラクルのいつものやり方だ」「ミドルウェアで競合するライバルの1社を消すことがオラクルの狙い」などと、騒がれたゆえんだ。中には「オラクルが買収したということは、BEAの製品が徐々に消えていくこと(カタログ上に残っても実質的に)を意味する」といった見方もあった。

では8カ月が経った今、主要製品の統合・整理はどういった方向になりつつあるのか? 当然だがBEA製品をなくしてしまうことはあり得ない。(1)当面、BEA製品の名前を「Oracle〜」に変更する程度で両社製品を併売し、サポートも継続する、(2)アプリケーションサーバー製品は中長期的に、競争力があってサポートエンジニアも多い旧BEA製品を主力にする、(3)両社が過去数年、力を注いできたSOA関連製品は、中長期的にオラクル製品を主力にする、といった方針で製品の整理・統合を進める計画である(図1)。

図1 「Oracle Fusion Middleware」統合後のラインナップ(作成:編集部)

新ラインナップの全体像

まずアプリケーションサーバーは、将来的にはBEAの「WebLogic」製品ラインを軸に統合を図る予定だ。つまり「Oracle WebLogic Suite」というスイート(統合)製品である。ただし既存ユーザーへの影響を考慮して、当面はオラクルの「Oracle Application Server」ラインも残す。単にユーザーへの影響というだけでなく、「Oracle Application Server」でしか動作確認をしていないオラクル製品があるという理由もある。これに関しては早急に確認作業を進め、新規ユーザーに対して「Oracle WebLogic Server」を推奨できるようにする考えだ。「Oracle Application Server」の開発はしばらく継続するという。

次にSOA関連製品。BEAは「Aqua Logic」の名称の下、ESB機能を提供する「BEA AquaLogic Service Bus」、EAI/データ統合のための「BEA Aqua Logic Data Services Platform」などをラインナップしている。市場シェアはさておき、製品や機能の充実ぶりに対する評価は高い。

一方、オラクルも「Oracle SOA Suite」として、ここ数年、製品ラインの強化を急いできた。ビジネスルールの定義・維持管理をエンドユーザーが実施できる「Oracle Business Rules」、ビジネスプロセス実行エンジンの「Oracle BPEL Process Manager」などである。そこでSOA関連製品については、オラクル製品を主軸に置きつつ、弱い部分、欠けている機能をAquaLogic系列の製品で補う形でスイート製品を構成する考えだ。つまりAquaLogicブランドはなくなった。

課題、将来の方向性

課題の1つは、製品同士をスムーズに連携させる、あるいはユーザーインタフェースに一貫性を持たせるといった作業にどの程度の時間を要するか。オラクルは、「他社製品と容易に連携させる『ホットプラカブル』を設計思想にし、モジュール構造や標準準拠にこだわってきた。その戦略に変更はなく、大きな支障はない」と話す。

もう1つの課題は、オラクルのミドルウェア製品の分かりにくさが増加したこと。オラクルはBEA以前にも買収で製品ラインを強化してきたため、どんな用途にどの製品を組み合わせればよいのか、日本オラクルのエンジニアでも明確に答えられないと思えるほど複雑だ。想定されるケースごとに最適な製品の組み合わせを示すなど、利用者目線に立った整理と説明が必要だろう。

サポート体制

2008年9月1日、日本オラクルは東京・青山に建設した新本社ビルに全面移転した。このビルには旧日本BEAシステムズの社員も入居している。同社社長だった志賀徹也氏は、7月1日付けで日本オラクルの副社長執行役員としてミドルウェア製品の営業を統括する立場に就いた。買収を機に退社した旧日本BEAシステムズの社員は「ごく一部にとどまった」という。

こうした布陣から明らかなように、BEA/オラクルのミドルウェア製品に対するサポート体制は当面、ほとんど変わらないか、むしろ強化される。9月1日から旧BEA製品のトレーニングも開始している。

グローバルで見ても同じだ。Oracle Fuison Middlewareの営業担当者数は旧BEAのスタッフを含めて3000人体制、技術開発のエンジニアは4500人体制。旧BEAが中国やインドに持っていた開発センターはすべて存続する。

関連記事

WebLogicをAPサーバーの中核に サポートは顧客優先の姿勢を強調オラクル、BEA統合後のミドルウェア戦略を発表 Oracle WebLogic Suiteなど / 日本オラクル 2008年1月、85億ドルを投じて米オラクルが実施した、アプリケーションサーバー大手の米BEAシステムズの買収。8カ月が経過した今、機能的に重複する点が少なくない両社製品の統合・整理の方向性が見えてきた。一言で言えば、競争力のあるBEA製品を残しつつ、それ以外はオラクル製品側に寄せるというものである。製品名称はすべてOracle〜になる。既存ユーザーからの不満が出ないよう、統合は時間をかけて進める方針だ。

PAGE TOP