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英BT、アジア太平洋地域を成長ドライバーに クラウド関連のR&Dに積極投資

2010年9月30日(木)

海外カンファレンスレポート BT Asia Pacific Analyst & Media Event/英BTグループ 英国を代表する通信事業者であるBTグループ。同社は事業多角化のため、クラウドコンピューティングなどサービス事業の拡充を急ぐ。世界展開においては、アジア太平洋地域に最も注力するという。同社が香港で開催したイベントの内容を報告する。

BTは、日本のNTTと同じく国営から民間企業に転じた通信事業者である。近年では仮想化したITリソースをネットワーク経由で提供するIaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)などのクラウドコンピューティングや、IT製品の導入支援、運用管理といった企業情報システムに照準を合わせたサービス事業の強化に余念がない。ターゲットとする市場は英国にとどまらず、世界170カ国以上に拠点を設ける。中でも同社が現在注力するのは、成長著しいアジア太平洋地域だ。

同社は2010年9月9日〜10日の2日間、メディア・アナリスト向けイベント「BT Asia Pacific Analyst & Media Event」を香港で開催し、最新の事業戦略を発表。日本や中国、インドなどを中心とする7カ国から40人以上が参加した。

アジアで新たに300人を雇用
クラウド管理ツールも開発

「アジア諸国の存在感が急速に高まっている」と、BT グローバル・サービス アジア・パシフィック地域マネジング・ディレクターのケビン・テイラー氏は強調。「欧米の多国籍企業の多くは、成長著しいアジア市場への投資を加速している。一方、韓国のサムソンや中国のハイアールなどアジアに本拠を置く企業が他国に乗り出すといった動きが活発になっている」(テイラー氏)。

こうした背景を受け、BTはイベント初日の2010年9月9日、アジア太平洋地域でのサービス事業の拡充に向け約300人を新規雇用すると発表した。対象地域は、日本やオーストラリア、中国、香港、インド、シンガポール。日本での雇用人数や対象分野は明らかにしていないが、「日本企業独自の業務プロセスに関する知見を持つ人材を積極的に採用したいと考えている」(テイラー氏)という。

サービスの基礎となる研究開発にも力を注ぐ。グループ全体での全投資額30億ポンドのうち、8億ポンドを研究開発に割く。中心テーマの1つがクラウドだ。BTグローバル・サービス グローバル・ポートフォリオ バイス・プレジデントのニール・サットン氏が紹介したのは、開発中のクラウド管理ツール群「Cloud Service Broker」。複数の事業者のクラウドサービスのサービスカタログや、サービス品質のモニタリング機能などを備え、「ユーザー企業はBTや他社が提供するクラウドサービスの中から、自社の求める用途やサービスレベルなどに照らして、適切なサービスを選択利用できる」(サットン氏)。

BTのユーザー企業がクラウド移行のメリットを強調

イベントの中心となるパネルディスカッションでは、BTのユーザー企業で、香港の証券・投資銀行業大手であるCLSAアジアパシフィックマーケッツのラジャー・ティヴァガラジャ最高情報責任者(CIO)らが参加し、クラウドの企業利用について議論した(写真)。

パネルディスカッションの様子
写真 パネルディスカッションの様子。香港の証券・投資銀行業大手CLSAアジアパシフィックマーケッツのラジャー・ティヴァガラジャ最高情報責任者(CIO、左)らが、クラウドの企業利用について議論した

システムやネットワークの運用管理業務の大部分をBTにアウトソーシングしているというCLSAは、必要なシステムリソースが25時間で500%も増加した経験を持つ。「1年に数度しかないピーク時のために自社でシステムリソースを確保し、維持するのはコスト的に不可能。仮想化をベースとしたクラウド技術が当社の業務を支えている」(ティヴァガラジャ氏)と、インフラの柔軟性確保という視点でサービス利用の価値を会場に訴えた。 (鳥越)

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