[市場動向]

874件の回答から見えてきた、情報セキュリティの現状と課題

安全性と利便性のバランスや利用者のセキュリティ意識に懸念

2012年7月10日(火)栗原 雅(IT Leaders編集部)

クラウドサービスやスマートデバイスの登場によりシステム利用環境が多様化する中、情報システム担当者やシステム利用者などは、どのような懸念を抱いているのだろう。 本誌が実施した緊急アンケートを通じて編集部に寄せられた800件を超える“声”には、ITの利便性や社員の生産性の低下、利用者のモラルを懸念する意見が目立った。

安全性と利便性のバランスに関する声

  • セキュリティを重要視するあまり監視が厳しくなって、自由にネットブラウジングできなくなることを懸念している。「業務に関係のないサイトを閲覧しない」ことは当然だが、検索結果に含まれるサイトの中には業務に関係ないかどうか判断できないものも多々ある。技術者の行動を制限することで情報収集能力を抑制する。そうした結果を招かないセキュリティ対策があれば実施していきたい
  • 守るべき情報とそうでない情報に対して、同じように高度なセキュリティ対策を施さなければならなくなれば面倒。特に、情報を受け取るユーザーにとって手間がかかることにならないかは常に考慮に入れたい
  • セキュリティ対策強化と生産性向上は相反することもあり、どうバランスをとるかが課題だと感じている。最適な投資と、どこまで対策したら良しとするか。そんなポイントを指南するガイドラインが必要かと思う。細かい内容は会社ごとに違ってくるのは明らかだが、ITの標準化が進む中でセキュリティ対策についても、一定のデザインとパターンがある気がする
  • 必要なとき必要な部分だけ容易に持ち出せる方法を用意しないと、データの持ち出し対策は実効性を伴わない結果になり得る。そうしたバランスについて管理部門の理解が十分でない点をとても残念に思う。顧客へのスピード感が顧客満足度に大きく影響する状況において、ユーザーの利便性を大きく損なうルール規制は形骸化してしまうこともある
  • 業務上の必要性から、一部の社員限定ではあるが、会社の重要情報を個人の携帯電話にメール送信している。担当役員からはセキュリティ面で対策を求められているが、セキュリティ対策によって利便性が損なわれることへの社内ユーザーの抵抗が強く、苦慮している
  • 漏えいリスクの管理は重要だと認識しているが、業務効率や自由度が損なわれることで、企業としての競争力に影響が及んでしまわないか懸念している。そもそも社内規定や規制を次々に作っても、ユーザーに浸透させるのはそれほど容易くない
  • 個人情報保護法は解釈によって運用がバラバラ。情報の安全性に過敏になるあまり、構築したシステムで想定通りの成果を上げられないケースもある
  • セキュリティの強化ばかりが指摘されるが、システムを活用するユーザーの利便性という視点を無視したら対策を定着させるのは現実には難しく、事故の発生を食い止められないと思う
  • 現実にはデータのセキュリティ対策については個人の判断に依存する面も多いと思っている。ただ、その判断は人によってバラつきがあるので、必要に応じてデータの扱いについて厳しくルール化するしかないが、業務のスピードに支障をきたさないかどうかのトレードオフを考えないとならない点が難しい
  • 機密情報の漏えいは常にリスクと感じているが、セキュリティを強化することでシステムの使い勝手が悪くなったりパソコンの性能が低下したりすることに悩まされている
  • 顧客情報の取り扱いに関して漏えいの不安が先に立ってしまい、当社ではみんなが扱うのを避けるようになってきている。有用なデータなのでどうにかして安全性を確保しながら適切に活用できるような仕組みを用意できないか悩んでいる
  • オンラインストレージやカレンダー、メモなど各種クラウドサービスが出てきてセキュリティ上の懸念も増えているのは事実。しかし、闇雲に禁止するのではなく、業務に適切に利用する方策や技術を考えることが重要なのではないか
  • セキュリティを重要視するあまり、情報活用の自由度が阻害されているケースが現実に起きている。セキュリティ強化と情報活用の自由度確保を両立できる解はないものだろうか
  • 確かにセキュリティは大切だが、あまりにも一方的に、かつ横断的に情報の扱いを制限されてしまう傾向があって困る
  • 外部からの攻撃をどのように防御すべきか考えるが、多様化する攻撃のすべてから自社を守るには費用が掛かりすぎるため頭を悩ませている
  • セキュリティを強化するとシステムの利便性が失われるという懸念から、ユーザーとの間でコンセンサスが得られにくくなっている。確かに、強固なセキュリティ対策を講じても、生産性が下がっては本末転倒。本当に悩ましい問題だと感じている
  • 当社ではセキュリティ対策のために、情報利用の利便性が大きく損なわれるようになってしまった
  • パソコンの操作ミスもしくは故意による社内から外部へのデータ流出を最も懸念しているが、操作性や対策コストとのバランスの面で妥当と思えるソリューションが見当たらないのが悩み
  • データ利用に関する社内の制約などは今後さらに厳しくなると思うが、それにより日々の活動に影響が及ばないか懸念している
  • 利便性や生産性とセキュリティの折り合いをどのように付けるか。安全性を高めようとしたために、利用者の生産性に影響が出ているケースも多いと感じる
  • 機器や情報を持ち出し禁止にするなどユーザビリティを無視したアプローチが、利用者の生産性を下げている。結果的に企業としての競争力も失うと思うのだが
  • 情報漏えい被害のリスクと、データなどの持ち出しのメリットを定量的に評価する方法が見当たらず、いたずらにリスクを過大評価しがちになっている
  • データを守ることは絶対だが、肝心なのはバランス。安全性を確保しつつ、業務効率を下げない方法を検討していきたい
  • システムの利便性とデータの安全性はトレードオフの関係にあると思うが、個人的には便利さばかり気にして、セキュリティ対策が甘くなることを危惧している
  • セキュリティの強度を高めることと、データ活用の利便性を確保することのトレードオフをどのように考えたらよいのか、悩みがつきない
  • 本来、どのような情報をどこまで守らなければならないのかを検討する必要があるが、その線引きが難しい。そのため現在は、「すべて守る」ガチガチのセキュリティ対策になってしまっている
  • セキュリティ対策アプリが増えてきて、PCの処理能力が落ちてきているのが懸念材料の1つである
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