[イベントレポート]

クラウド移行こそレガシー脱却の好機!? クラウドカンパニーへのシフトを鮮明にする米Infor

2015年12月2日(水)五味 明子(ITジャーナリスト/IT Leaders編集委員)

「Give us your datacenter !(御社のデータセンターを我々にください)」--。ERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアベンダーの米Inforが、クラウドシストを強力に推し進めている。このメッセージは、同社のプレジデントであるStephan Scholl(スティーブン・ショール)氏が先頃、仏パリで開いた年次カンファレンスで約1500人の参加者に向かって発したものだ。「基幹システムはオンプレミス」の形態を取る企業が依然、多数派のなかで、なぜInforはクラウドシフトを急ぐのか。

 米Inforは、製造業を中心に、流通/小売り、金融、エネルギー、ヘルスケアなど幅広い業界において、多くの顧客企業をグローバルで抱えるエンタープライズソフトウェアベンダーである。顧客企業としては、伊Ferrari、米Bank of America、米GAPなどに並んで、日産自動車やコマツ、DMG森精機といった日本企業の名前も挙がる。

 主力製品のERP(Enterprise Resource Planning)のほかに、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)やHCM(Human Capital Management:人事管理)といったアプリケーション分野にもポートフォリオを広げている。そんなInfor製品の最大の特徴は、それぞれの業界が求める機能に完全特化したパッケージであること。同社はこれを「マイクロバーティカル」と呼んでいる。

 ERPを例に取れば、グローバル展開する製造業には「Infor LN(旧Baan)」を、食品/飲料やファッションなどの一般消費財を扱う企業には「Infor M3」といった具合に、コア機能を業界固有の商慣習に合わせたパッケージを提供する。このマイクロバーティカルにより、競合である独SAPや米Oracleとの差異化を図ってきた。

写真1:米InforのプレジデントであるStephan Scholl(スティーブン・ショール)氏写真1:米InforのプレジデントであるStephan Scholl(スティーブン・ショール)氏

 そのInforが今、全社を挙げて推進する戦略がクラウドへのシフトである。同社のプレジデントであるStephan Scholl(スティーブン・ショール)氏が、2015年11月3日(現地時間)に、仏パリで開催した年次カンファレンス「Inforum Europe」のオープニングゼネラルセッションで投げかけた「Give us your datacenter !(御社のデータセンターを我々にください)」という発言には、オンプレミスからクラウドへのマイグレーションをユーザー企業に強く推す同社の意図が現れている(写真1)。

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