[五味明子のLock on!& Rock on!]

キーワードは“モダナイズ”─インテルとDell EMCの新製品に見るクラウド時代のハードウェアが進む道

2017/07/10 - 07/14

2017年7月18日(火)五味 明子(ITジャーナリスト)

「すべてがクラウドへと接続される時代、データセンターはより高性能で効率的な役割を求められるようになっており、新しい次元のパフォーマンスを実現するために進化していかなくてはならない」──。2017年7月12日、インテル 代表取締役社長 江田麻希子氏はデータセンター向けの新プロセサ「Intel Xeon Scalable Processor(コード名: Skylake SP)」の発表会の冒頭でこう強調した。個人/企業を問わず、世界中のデータがクラウドへと急速に集約される現在、もっとも下のレイヤーでクラウドを支えるハードウェアはどういう方向へと進化していくのだろうか。今回はインテルとDell EMCという大手ベンダー2社が発表した新製品の内容から、その方向性を探ってみたい。

インテルが追求してきた“無限のスケール”を実現する新世代Xeon「Skylake SP」

インテルの江田社長

 コード名「Skylake SP」として開発が進められてきたインテルの次世代データセンター向け新プロセサ、SPの「S」はもちろん「Saclable」を意味する。どこまでもスケールすることを要求される現代のクラウドを基盤から支えるべく誕生したチップであり、「この10年で最大規模となるプラットフォームの進化」(江田社長)を実現したアーキテクチャでもある。パブリッククラウドが世に登場してからすでに10年以上が経過するが、インテルがクラウドの進化とともに培ってきた技術をすべてつぎ込んだプロセサであるという自信を感じさせる。

 ではSkylake SPは旧世代(Xeon E5/E7)に比較してどういった点で進化しているのだろうか。以下、インテルが提示する5つの「進化のポイント」を挙げる。

  • AI … 旧世代と比較してディープラーニングのトレーニングと推論の処理能力を2倍高速化、AIサービスの迅速な提供を可能にするソフトウェアの最適化を通して、3年前に比較してディープラーニングの処理能力を113倍向上
  • ネットワーク … 旧世代と比較して主要なネットワークアプリケーションでのIPSec転送レートを最大5倍向上
  • 仮想化 … 4年以上前のシステムと比較して仮想マシンの集約率を最大2倍以上向上、サーバー使用率の向上や電力費用の削減など、エンタープライズデータセンターの最新化を推進
  • HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング) … Intel AVX 512およびIntel Omni-Pathアーキテクチャにより、1クロックあたりのFLOPS値が最大2倍向上、演算処理能力やメモリー帯域幅の向上により研究やイノベーションを推進
  • ストレージ … NVMe SSD製品と比較して最大70%のレイテンシ削減、IOPSを最大5倍向上し、高度な分析におけるデータアクセスを改善

 いずれもモダンなデータセンターに求められる条件をプロセサレベルでサポートすることを主眼においた進化の方向性だと見ることができる。そしてここで挙たような性能向上を実現するのがSkylake SPに実装された最大28コアの「シングルダイの“メッシュ”アーキテクチャ」である。

「シングルダイのメッシュアーキテクチャ」によりレイテンシの低減を図りながらスケーラビリティも担保したIntel Xeon Scalable Processor
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 旧世代では2つのリングバスをバッファスイッチで接続していたが、「隣どうしのバスなら問題ないが、両端どうしではバスとして遠くなり、どうしても遅延が発生する」(インテル データセンターグループセールス Xeonプラットフォーム製品スペシャリスト 横川弘氏)という課題があった。Skylake SPではこれを解決するため、メッシュ状にコアを配置することで帯域幅の増加とレイテンシの低減を担保しつつ、拡張性も同時に実現している。また、「2ソケットで2本のUPI構成から、最大8ソケット構成まで幅広くサポート」(横川氏)することで、エントリレベルからミッションクリティカルなワークロードに対応することが可能になっている。

新世代のXeonにはブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのラインナップが用意されており、エントリレベルからメインストリームまで、あらゆるグレードのワークロードに対応する
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 無限にスケールするだけでなく、パフォーマンス向上、AIを含むあらゆるアプリケーションワークロードへの最適化、そして当然ながら電力消費量の削減、etc... 現代のデータセンターはプロセサレベルからして10年前とはまったく別の存在へと様変わりしていることは間違いない。

“インテリジェント”にフォーカスした第14世代「Dell EMC PowerEdge」

Dell EMCのペンディカンティ氏

 「ただのオートメーションではもうだめだ。顧客のデジタルトランスフォーメーションを成功に導くには、インテリジェントなオートメーションでなければ意味がない」──。7月13日、都内で開催された「Dell EMC PowerEdge」新製品発表会の席上で、その日の朝に来日したばかりのDell EMC シニアバイスプレジデント サーバソリューションプロダクトマネジメント兼マーケティング担当 ラヴィ・ペンディカンティ氏は最新世代のハードウェアプラットフォームが備えているべき特徴についてこう語っている。

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