[イベントレポート]

ハーバード大学院の竹内教授が斬る「デジタル時代の経営イノベーションのあり方」

2017年9月28日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

ハーバード大学経営大学院教授であり、一橋大学名誉教授でもある竹内弘高氏。日本を代表する経営学者の1人であり、一橋大学名誉教授である野中郁次郎氏と共著の「知識創造企業」(1996年刊)は、今も読まれ続ける。そんな竹内氏が「日本企業に求められる次世代経営イノベーション」と題し、KPMGコンサルティングが主催したカンファレンスで講演した(写真1)。多くの示唆を含んでいたので骨子を紹介しよう。

 結論から先に書くと、竹内教授は、経営イノベーションに何が必要かについて「(事業を0から10までの段階に分けると)1~9はAIとビッグデータ、クラウドに任せるしかない。STEM(科学・技術・工学・数学)の教育を受けた人に委ねる。AIの進化を考慮すると、ここは(既存のやり方で)一生懸命にやっても勝てないからだ。人間が担うのは、無から有を生み出す(=何をするか)0~1、および顧客へのハイタッチが求められる9~10である」と語った。

写真1 KPMGコンサルティング主催カンファレンスの会場全景
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写真2 変化が激しい時代における人とデジタルの役割
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 現時点では事業の大半を任せられるAIやクラウドは存在しないため、当然、これは説明のためのある種の“極論”。しかしそれらが担う領域が今後、どんどん広がることも間違いない。この点でAIやクラウドなどデジタル化が加速する中、企業が集中すべきポイントを、きれいに切り取った表現だと言える。つまり「AIやクラウドを積極的に、他に先駆けて活用するために力を注ぐべき。その一方で企業は何のために存在し、何を価値として提供するのかを再定義すべき」といった趣旨のメッセージだ。しかも前者は当然のことなので、竹内教授は講演の大半を、後者やリーダーシップ論に費やした。

ミッション、ビジョン、バリューを明確にする

 最初に取り上げたのは現在執筆中の「ワイズ・カンパニー」(知識実践企業)の話である。「新著では継続的なイノベーションを実践している企業を取り上げている。誰も今日の変化や未来を予測できないが、未来を創ることはできる。それを実践しているのが日本企業だったので、(新著で取り上げるのは)ほとんどが日本企業になった」。こう語った上で、次のように本田技研工業(ホンダ)に言及した。

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